2018/09/09 14:00

第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124 Q. 食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、ボツリヌス症を発症し、呼吸困難や呼吸停止に陥ることがある。
2. 生魚摂取により生じるクドアやアニサキスなどの寄生虫による食中毒は、生魚を長時間冷凍しても防ぐことはできない。
3. ジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは熱に不安定なため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことができる。
4. イヌサフランの球根にはコルヒチンが含まれるため、誤食すると呼吸不全等を起こし死に至ることがある。
5. シガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているため、我が国ではシガテラ発症の報告はない。
 (論点:食中毒)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-124【衛生】論点:食中毒5. シガテラ

 こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の衛生から食中毒を論点とした問題です。選択肢ごとにテーマ(ボツリヌス菌、寄生虫 / クドア・アニサキス、ソラニン・チャコニン、コルヒチン、シガテラ)が異なるので、別々に解説します。

選択肢5. 論点:シガテラ
Q. 5. シガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているため、我が国ではシガテラ発症の報告はない。A.【正|誤】|

解説します。
第103回薬剤師国家試験問124、選択肢5(問103-124-5)は、論点「食中毒」のうち、シガテラをテーマとした正誤問題でした。最新の科学的根拠が記載された参考資料としては、厚生労働省のホームページ(HP)「厚生労働省|自然毒のリスクプロファイル 動物性自然毒 / シガテラ毒【詳細版】
https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_det_02.html 」、および食品安全委員会のHP「食品安全委員会|ファクトシート シガテラ(平成25年12月16日) http://www.fsc.go.jp/factsheets/」に、情報がわかり易く整理してありました。詳細は、上記、HPをご参照ください。厚生労働省HPのリスクプロファイルによれば、シガテラ毒による中毒は、日本では沖縄で多く、九州・本州では主にイシガキダイによる食中毒事例が見られ問題となりました。発症は1~8時間後で、全回復に数ヶ月かかることがあります。死亡は稀ですが、消化器症状として下痢・吐気・嘔吐・腹痛、また、神経系症状として徐脈・血圧低下・ショック、神経症状として温度感覚異常(※ドライアイスセンセーション|冷たいものに触れた時に電気刺激のような痛みを感じる、冷水を口に含んだ時にピリピリ感を感じる。)・関節痛・筋肉痛・しびれがあります。有毒成分はシガトキシン(ciguatoxin|CTX)および類縁化合物(CTXs)です。食品安全委員会HPのファクトシートによれば、シガトキシン(ciguatoxin|CTX)および類縁化合物(CTXs)は、藻類である渦鞭毛藻が産生し、食物連鎖(海藻に付着した渦鞭毛藻→藻食動物→肉食魚)によって魚類に蓄積されます。その魚類を摂食することによって発生する食中毒がシガテラです。これらの有毒成分は脂溶性で、加熱調理で毒成分は煮汁等に移行します。シガテラ毒には、加熱による毒性失活はありません。食中毒を予防するためには、シガテラを引き起こすと考えられる魚類を摂取しないことが重要です。シガテラの主要な原因魚は、カマス属、マハタ属、バラハタ属、スジアラ属、フエダイ属などの主に熱帯及び亜熱帯海域に生息する魚です。 国内での対策として、厚生労働省は、販売に関して、シガテラ毒を含むおそれのあるオニカマス(ドクカマス)を販売禁止とし、輸入に関して、シガテラの原因となる可能性が高い指定魚類の魚種鑑別検査を行い、輸入禁止としています。一部自治体では、対象魚を決めて販売自粛の指導を行っています。 
シガトキシンは、電位依存性ナトリウムチャンネルに特異的に結合して、チャンネルを活性化することで、神経伝達に異常をきたす作用があります。図1にシガテラ毒による中毒の概要をまとめて論点解説動画としています。確認しましょう。


図1 シガテラ毒による食中毒 概要 ※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問124)より 出典:厚生労働省|自然毒のリスクプロファイル 動物性自然毒 / シガテラ毒【詳細版】 https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_det_02.html

近年の日本でのシガテラ毒中毒の食中毒事例は、上記、厚生労働省のリスクプロファイルによれば、2008年から2017年の年次推移で年間7人から30人の患者数で推移しており、10年間の合計では、患者数は153人、死亡者数は0人でした(図2 シガテラ毒による食中毒事例/年次推移(2008 - 2017)参照;※このコンテンツ、下記)。

(完。。。)

ポイント|
【A】の食中毒事例は、日本では【B】に多く、【C】では主に【D】による食中毒事例が見られ問題となった。発症は【E】後で、全回復に数ヶ月かかる。死亡は【F】だが、消化器症状として【G】、神経系症状として【H】、神経症状として【I】がある。有毒成分は【J】であり、【J】は【K】で、加熱調理により毒成分は【L】し、加熱による【M】。【J】は、【N】に特異的に結合し【O】することで、【P】に異常をきたす作用がある。

A. シガテラ
B. 沖縄
C. 九州・本州
D. イシガキダイ
E. 1~8時間
F.
G. 下痢・吐気・嘔吐・腹痛
H. 徐脈・血圧低下・ショック
I. 温度感覚異常(ドライアイスセンセーション)・関節痛・筋肉痛・しびれ
J. シガトキシン(ciguatoxin|CTX)および類縁化合物(CTXs)
K. 脂溶性
L. 煮汁等に移行
M. 毒性失活はない
N. 電位依存性ナトリウムチャンネル
O. 活性化
P. 神経伝達

※できたて論点解説、大公開中▼5つのテーマに分けて解説しました。
■松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート
問103-124【衛生】
論点:食中毒 1; ボツリヌス菌|
論点:食中毒 2; 寄生虫 / クドア・アニサキス|
論点:食中毒 3; ジャガイモ / ソラニン・チャコニン|
論点:食中毒 4; イヌサフラン / コルヒチン|
論点:食中毒 5; シガテラ|

では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124 Q. 食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、ボツリヌス症を発症し、呼吸困難や呼吸停止に陥ることがある。
2. 生魚摂取により生じるクドアやアニサキスなどの寄生虫による食中毒は、生魚を長時間冷凍しても防ぐことはできない。
3. ジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは熱に不安定なため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことができる。
4. イヌサフランの球根にはコルヒチンが含まれるため、誤食すると呼吸不全等を起こし死に至ることがある。
5. シガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているため、我が国ではシガテラ発症の報告はない。
 (論点:食中毒)

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以上。BLNtより。

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第98回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問123 食品に由来する発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 亜硝酸と二級アミンからのニトロソアミンの生成は、pHが7付近で最も起こりやすい。
2. サイカシンは、体内でβ-グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。
3. ベンゾ〔a〕ピレンは、食品の焦げた部分などに含まれる多環芳香族炭化水素の一種である。
4. タンパク質を加熱したときに生成するGlu-P-1は、エポキシ体に代謝されて変異原性を示す。
5. ジャガイモを揚げたときなどに生成するアクリルアミドは、ヘテロサイクリックアミンの一種である。
(論点:食品に由来する有害物質)>>
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■松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 1; ニトロソアミン
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 2; サイカシン
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 3; 多環芳香族炭化水素 / ベンゾ〔a〕ピレン
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 4; ヘテロサイクリクアミン / Glu-P-1
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 5; アクリルアミド
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図2 シガテラ毒による食中毒事例/年次推移(2008 - 2017) ※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問124)より 出典:厚生労働省|自然毒のリスクプロファイル 動物性自然毒 / シガテラ毒【詳細版】 https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_det_02.html

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