2018/08/07 18:29

第98回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問123 Q. 食品に由来する発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 亜硝酸と二級アミンからのニトロソアミンの生成は、pHが7付近で最も起こりやすい。
2. サイカシンは、体内でβ-グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。
3. ベンゾ〔a〕ピレンは、食品の焦げた部分などに含まれる多環芳香族炭化水素の一種である。
4. タンパク質を加熱したときに生成するGlu-P-1は、エポキシ体に代謝されて変異原性を示す。
5. ジャガイモを揚げたときなどに生成するアクリルアミドは、ヘテロサイクリックアミンの一種である。
 (論点:食品に由来する有害物質)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質2:サイカシン

 こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の薬学理論問題(衛生)から食品に由来する有害物質を論点とした問題です。問98-123は、選択肢ごとにテーマ(ニトロソアミン、サイカシン、ベンゾ〔a〕ピレン、Glu-P-1、アクリルアミド)が異なるので、別々に解説します。

選択肢2. 論点:サイカシン /
Q. サイカシンは、体内でβ-グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。A.【正|誤】|

最新の詳細な情報として、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構のコンテンツ(農研機構|写真で見る家畜の有毒植物と中毒 > 目次 サイカシン http://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_poisoning/plants/index.html )を参考資料として解説します。上記資料によれば、ソテツの種子・幹は、多量のでんぷんを含むため、食用とされてきましたが、有毒物質による食中毒がしばしば発生しました。ソテツ由来の有毒物質は、サイカシン(Cycasin)であり、消化管微生物のβ-D-グルコシダーゼによってaglyconのmethylazoxymethanolに代謝されて、その後、容易にホルムアルデヒド(formaldehyde)へと分解され、中毒を起こします。なお、ホルムアルデヒドは、国際がん研究機関(IARC)の評価では グループ1(ヒト発がん性がある物質)に分類されています(参考資料:厚生労働省 職場のあんぜんサイト|安全データシート/ホルムアルデヒド http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0069.html )。methylazoxymethanolは、発がん性を有します。分解によって、ホルムアルデヒド(formaldehyde)とジアゾメタン(diazomethane)が発生しますが、ジアゾメタンもまた発がん性を有します。
一方、ソテツ科植物の非タンパク性アミノ酸であるβ-N-methylamino-L-alanine神経毒性を有し、人での神経障害との関連が指摘されました。
富士フィルム和光純薬株式会社の試薬に関するホームページ( https://labchem.wako-chem.co.jp/ )のコンテンツによれば、ジアゾメタンはカルボン酸やフェノールの O-メチル化剤として使用され、反応は迅速に完結します。しかしながら、ジアゾメタンは、高い爆発性および発がん性を持つため、ハンドリングが困難な試薬の一つです。ジアゾメタンによるカルボン酸のメチル化は求電子付加反応に分類され、生体では、ジアゾメタンを介したアルキル化作用は、DNAの障害を引き起こします。

図1 ソテツの有毒物質サイカシン 抜粋 ※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第98回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問123)より 出典:農研機構|写真で見る家畜の有毒植物と中毒 > 目次 サイカシン http://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_poisoning/plants/index.html、その他、化合物の構造式等の出典:ジアゾメタン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%BE%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%B3、Chem-station|diazomethane ジアゾメタンによるカルボン酸選択的メチル化 https://www.chem-station.com/odos/2010/08/-diazomethane.html

ポイント|
【A】は、多量のでんぷん含むため、食用とされてきたが、有毒物質である【B】は、消化管微生物の【C】によってaglyconの【D】に代謝され、その後、容易に【E】へと分解され、中毒を起こす。【D】には【F】があり、その分解によって生成する【E】および【G】も【F】を有する。
【G】はカルボン酸・フェノールの【H】として使用され、【G】による【I】は【J】に分類される。【G】のアルキル化作用は生体では【K】の障害を引き起こす。
一方、ソテツ科植物の非タンパク性アミノ酸である【L】は【M】を有し、人での【N】との関連が指摘された。

A. ソテツの種子・幹
B. サイカシン(Cycasin)
C. β-D-グルコシダーゼ
D. methylazoxymethanol
E. formaldehyde
F. 発がん性
G. diazomethane
H. O-メチル化剤
I. カルボン酸のメチル化
J. 求電子付加反応
K. DNA
L. β-N-methylamino-L-alanine
M. 神経毒性
N. 神経障害
(その3につづく。。。)

では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第98回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問123 Q. 食品に由来する発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 亜硝酸と二級アミンからのニトロソアミンの生成は、pHが7付近で最も起こりやすい。
2. サイカシンは、体内でβ-グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。
3. ベンゾ〔a〕ピレンは、食品の焦げた部分などに含まれる多環芳香族炭化水素の一種である。
4. タンパク質を加熱したときに生成するGlu-P-1は、エポキシ体に代謝されて変異原性を示す。
5. ジャガイモを揚げたときなどに生成するアクリルアミドは、ヘテロサイクリックアミンの一種である。
 (論点:食品に由来する有害物質)

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以上。BLNtより。

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第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問122 食品表示法に基づく食品表示に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. n-3系脂肪酸、ビタミンK及びカリウムは、栄養機能食品の栄養成分として栄養機能表示が認められている。
2. 特定保健用食品において、疾病リスク低減表示が認められている関与成分には、葉酸、カルシウム及びヘム鉄がある。
3. 機能性表示食品では、科学的根拠を有する関与成分について、企業の責任において疾病リスク低減表示が認められている。
4. 食品に含まれるナトリウムは、食塩相当量ではなく、ナトリウム量として表示する。
5. 特定原材料又はL-フェニルアラニン化合物を含む加工食品では、表示可能面積が小さくても、これを含む旨の表示を省略してはいけない。
 (論点:食品表示法 食品表示)>>
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問102-122【衛生】論点:食品表示法 1
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問102-122【衛生】論点:食品表示法 4
問102-122【衛生】論点:食品表示法 5

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第103回薬剤師国家試験|必須問題 / 問20 業務上疾病のうち、疾病者数が最も多いのはどれか。
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