2018/09/05 17:00

第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124 Q. 食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、ボツリヌス症を発症し、呼吸困難や呼吸停止に陥ることがある。
2. 生魚摂取により生じるクドアやアニサキスなどの寄生虫による食中毒は、生魚を長時間冷凍しても防ぐことはできない。
3. ジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは熱に不安定なため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことができる。
4. イヌサフランの球根にはコルヒチンが含まれるため、誤食すると呼吸不全等を起こし死に至ることがある。
5. シガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているため、我が国ではシガテラ発症の報告はない。
 (論点:食中毒)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-124【衛生】論点:食中毒1. ボツリヌス菌

 こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の衛生から食中毒を論点とした問題です。選択肢ごとにテーマ(ボツリヌス菌、寄生虫 / クドア・アニサキス、ソラニン・チャコニン、コルヒチン、シガテラ)が異なるので、別々に解説します。

選択肢1. 論点:ボツリヌス菌 /
Q. 1. 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、ボツリヌス症を発症し、呼吸困難や呼吸停止に陥ることがある。A.【正|誤】|

解説します。
第103回薬剤師国家試験問124、選択肢1(問103-124-1)は、論点「食中毒」のうち、ボツリヌス菌をテーマとした正誤問題でした。最新の科学的根拠が記載された参考資料としては、食品安全委員会のホームページ(HP)「食品安全委員会|ファクトシート ボツリヌス症(平成30年2月13日) http://www.fsc.go.jp/factsheets/ 」に、情報がわかり易く整理してありましたので、詳細は、上記、食品安全委員会HPをご参照ください。上記HPによれば、ボツリヌス症の原因は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)ボツリヌス毒素です。中毒症状として、ボツリヌス毒素に起因する神経麻痺が特徴的です。ボツリヌス症には、主に、食餌性ボツリヌス症と乳児ボツリヌス症があります。食餌性ボツリヌス症とは、ボツリヌス毒素を経口摂取して発症するものです。一方、乳児ボツリヌス症とは、1歳未満腸内細菌叢は成人と異なりボツリヌス菌の定着・増殖がおこりやすいため、芽胞を経口摂取した場合、腸管内で発芽・増殖しボツリヌス毒素を産生して発症するものです。


図1 食中毒/ボツリヌス症の概要 ※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問124)より 出典:食品安全委員会|ファクトシート ボツリヌス症(平成30年2月13日) http://www.fsc.go.jp/factsheets/

ボツリヌス菌芽胞を形成する偏性嫌気性の桿菌で、土壌・河川・海洋に広く存在していま す。ボツリヌス菌の芽胞は、低酸素状態に置かれると発芽・増殖が起こり、毒素が産生されます。ボツリヌス菌が産生する毒素は易熱性で、80℃/20分又は 100℃/2分の加熱で不活化されます。ボツリヌス菌は芽胞の形態で存在し、芽胞には耐熱性(80℃~120℃)があるため、原因食品の多くは、保存食品(缶詰・真空包装・発酵食品)です。乳児ボツリヌス症については、ハチミツが原因食品としてあげられ、国内においてハチミツが推定原因とされる症例は、1989 年までの12例に 2017 年の1例を加えて計 13 例あります。2017 年の症例では、離乳食として市販のジュースにハチミツを混ぜたものを飲んでいた5 か月乳児が死亡しました。食中毒の初期症状として、消化器症状(悪心・嘔吐及び下痢)があり、次いでボツリヌス毒素に特有の神経麻痺症状がみられるようになります。その多くは、眼症状(めまい・頭痛・視力低下・かすみ目・複視/眼調節麻痺・対光反射の遅延や欠如)で、前後して咽喉部の麻痺(口渇・構音障害/発語障害・嚥下障害)が認められます。さらに病状が進行すると、四肢の麻痺がみられ、呼吸困難に陥って死に至ることがあります。我が国では、抗毒素療法が導入されて(1962年)、致死率は導入前の約30%から約4%にまで低下しました。乳児ボツリヌス症の場合、筋緊張低下が進み(floppy baby)、横隔膜に麻痺が及ぶと人工呼吸器の使用が必要となります。乳児ボツリヌス症治療では、対症療法が行われ、乾燥ボツリヌスウマ抗毒素は使用しません。乳児ボツリヌス症の予防法としては、1歳未満の乳児には、芽胞に汚染される恐れのあるハチミツやハチミツ入りの食品等を与えないようにすることとされています。
(選択肢2につづく。。。問103-124【衛生】論点:食中毒 2; 寄生虫 / クドア・アニサキス| https://matsunoya.thebase.in/blog/2018/09/06/160000

ポイント|
【A】の特徴:【B】の【C】は成人と異なり【D】の定着・増殖がおこりやすいため、【E】を経口摂取した場合、【F】し【G】を産生して発症する。【A】の原因食品として【H】があげられる。予防法としては、【B】には、【E】に汚染される恐れのある【H】・【H】入り食品等を与えないこととされている。【A】によって、【I】が進み(floppy baby)、【J】に麻痺が及ぶと【K】の使用が必要となる。

A. 乳児ボツリヌス症
B. 1歳未満の乳児
C. 腸内細菌叢
D. ボツリヌス菌
E. 芽胞
F. 腸管内で発芽・増殖
G. ボツリヌス毒素
H. ハチミツ
I. 筋緊張低下
J. 横隔膜
K. 人工呼吸器

では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124 Q. 食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、ボツリヌス症を発症し、呼吸困難や呼吸停止に陥ることがある。
2. 生魚摂取により生じるクドアやアニサキスなどの寄生虫による食中毒は、生魚を長時間冷凍しても防ぐことはできない。
3. ジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは熱に不安定なため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことができる。
4. イヌサフランの球根にはコルヒチンが含まれるため、誤食すると呼吸不全等を起こし死に至ることがある。
5. シガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているため、我が国ではシガテラ発症の報告はない。
 (論点:食中毒)

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以上。BLNtより。

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第98回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問123 食品に由来する発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 亜硝酸と二級アミンからのニトロソアミンの生成は、pHが7付近で最も起こりやすい。
2. サイカシンは、体内でβ-グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。
3. ベンゾ〔a〕ピレンは、食品の焦げた部分などに含まれる多環芳香族炭化水素の一種である。
4. タンパク質を加熱したときに生成するGlu-P-1は、エポキシ体に代謝されて変異原性を示す。
5. ジャガイモを揚げたときなどに生成するアクリルアミドは、ヘテロサイクリックアミンの一種である。
(論点:食品に由来する有害物質)>>
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■松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 1; ニトロソアミン|
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 2; サイカシン|
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 3; 多環芳香族炭化水素 / ベンゾ〔a〕ピレン|
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 4; ヘテロサイクリクアミン / Glu-P-1|
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 5; アクリルアミド|
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