2018/09/07 15:30

第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124 Q. 食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、ボツリヌス症を発症し、呼吸困難や呼吸停止に陥ることがある。
2. 生魚摂取により生じるクドアやアニサキスなどの寄生虫による食中毒は、生魚を長時間冷凍しても防ぐことはできない。
3. ジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは熱に不安定なため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことができる。
4. イヌサフランの球根にはコルヒチンが含まれるため、誤食すると呼吸不全等を起こし死に至ることがある。
5. シガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているため、我が国ではシガテラ発症の報告はない。
 (論点:食中毒)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-124【衛生】論点:食中毒3. ジャガイモ / ソラニン・チャコニン

 こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の衛生から食中毒を論点とした問題です。選択肢ごとにテーマ(ボツリヌス菌、寄生虫 / クドア・アニサキス、ソラニン・チャコニン、コルヒチン、シガテラ)が異なるので、別々に解説します。

選択肢3. 論点:ジャガイモ / ソラニン・チャコニン
Q. 3. ジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは熱に不安定なため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことができる。A.【正|誤】|

解説します。
第103回薬剤師国家試験問124、選択肢3(問103-124-3)は、論点「食中毒」のうち、ジャガイモの芽・皮に多く含まれるα-ソラニンおよびα-チャコニンをテーマとした正誤問題でした。最新の科学的根拠が記載された参考資料としては、厚生労働省のホームページ(HP)「厚生労働省|自然毒のリスクプロファイル 植物性自然毒 / ジャガイモ【詳細版】 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082078.html 」に、情報がわかり易く整理してありました。詳細は、上記、厚生労働省HPをご参照ください。上記HPによれば、ジャガイモの有毒部は、主に緑色の皮および芽の付け根で、毒性成分は、ステロイドアルカロイドのα-ソラニンおよびα-チャコニンです。毒性成分の3~8割は皮周辺に偏在します。毒性成分であるα-ソラニンおよびα-チャコニンは、50㎎/50kgの摂取で中毒症状を起こし、150~300mg/50kgの摂取で致死性を示します。水に溶けやすい特徴があるので、茹でることにより毒性は軽減しますが、一方、加熱によって毒性は軽減しません。α-ソラニンおよびα-チャコニンの中毒症状は、嘔吐、下痢、腹痛、目眩、動悸、耳鳴、意識障害,痙攣、呼吸困難で、発症は食後30分から半日です。図1にジャガイモの有毒成分の概要をまとめました。確認しましょう。


図1 ジャガイモの有毒成分α-ソラニンおよびα-チャコニンの概要 ※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問124)より 出典:厚生労働省|自然毒のリスクプロファイル 植物性自然毒 / ジャガイモ【詳細版】 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082078.html

(選択肢4につづく。。。問103-124【衛生】論点:食中毒 4; イヌサフラン / コルヒチン| https://matsunoya.thebase.in/blog/2018/09/08/180000

ポイント|
【A】の有毒部は、主に【B】で、毒性成分は、【C】の【D】である。毒性成分である【D】は、【E】の摂取で中毒症状を起こし、【F】の摂取で致死性を示す。【G】特徴があるので、【H】により毒性は軽減する。一方、【I】によって毒性は軽減しない。【D】の中毒症状は【J】で、食後【K】で発症する。

A. ジャガイモ
B. 緑色の皮および芽の付け根
C. ステロイドアルカロイド
D. α-ソラニンおよびα-チャコニン
E. 50㎎/50kg
F. 150~300mg/50kg
G. 水に溶けやすい
H. 茹でること
I. 加熱
J. 嘔吐、下痢、腹痛、目眩、動悸、耳鳴、意識障害,痙攣、呼吸困難
K. 30分から半日

では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124 Q. 食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、ボツリヌス症を発症し、呼吸困難や呼吸停止に陥ることがある。
2. 生魚摂取により生じるクドアやアニサキスなどの寄生虫による食中毒は、生魚を長時間冷凍しても防ぐことはできない。
3. ジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは熱に不安定なため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことができる。
4. イヌサフランの球根にはコルヒチンが含まれるため、誤食すると呼吸不全等を起こし死に至ることがある。
5. シガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているため、我が国ではシガテラ発症の報告はない。
 (論点:食中毒)

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以上。BLNtより。

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第98回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問123 食品に由来する発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 亜硝酸と二級アミンからのニトロソアミンの生成は、pHが7付近で最も起こりやすい。
2. サイカシンは、体内でβ-グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。
3. ベンゾ〔a〕ピレンは、食品の焦げた部分などに含まれる多環芳香族炭化水素の一種である。
4. タンパク質を加熱したときに生成するGlu-P-1は、エポキシ体に代謝されて変異原性を示す。
5. ジャガイモを揚げたときなどに生成するアクリルアミドは、ヘテロサイクリックアミンの一種である。
(論点:食品に由来する有害物質)>>
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■松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 1; ニトロソアミン
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 2; サイカシン
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 3; 多環芳香族炭化水素 / ベンゾ〔a〕ピレン
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 4; ヘテロサイクリクアミン / Glu-P-1
問98-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 5; アクリルアミド
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追記|
近年の食中毒事例のうち、ジャガイモが病因食品とされたものは、3年間(2015-2017)の合計で108人となり、植物性自然毒の原因食品の中では第1位でした(※きのこを種類別に分類)。厚生労働省|食中毒>4.食中毒統計資料(3)過去の食中毒事件一覧(2015-2017) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html によれば、植物性自然毒による食中毒のうち、3年間の患者数の合計の第10位までは、患者が多いほうから順番に、ジャガイモ、きのこ / ツキヨタケ、スイセン、きのこ、きのこ / クサウラベニタケ、バイケイソウ、提供された食事 / 豆料理、チョウセンアサガオ、きのこ / テングタケ、イヌサフランで、それぞれの患者数の3年間の合計は、108、90、81、62、46、25、17、12、12、12(人)でした。図2に植物性自然毒による食中毒の原因食品別の月次推移を2015 - 2017年のそれぞれの患者数で示しました。ご参考になさってください。 関連する過去問題に食中毒統計を論点とした以下の必須問題があります。この機会に、チャレンジしてみましょう。
第103回薬剤師国家試験(必須問題 衛生)問18 Q. 冬季に患者発生数がピークになる食中毒の病因物質はどれか。1つ選べ。
1. カンピロバクター・ジェジュニ 2. ツキヨタケ 3. 腸炎ビブリオ 4. ノロウイルス 5. サルモネラ属菌 (論点:食中毒統計)

図2 食中毒発生状況|疾病者数 / 植物性自然毒(上位20位|2015 - 2017)|厚生労働省
※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問124)より
※論点解説で使用している食中毒統計のグラフを作成できるデジタルコンテンツダウンロード商品を、ご購入いただくことができます。こちら > オリジナルデータベースとピボットテーブル・ピボットグラフが付帯 Matsunoya's original database #BlNt_Excel30001|Microsoft Excel book (731KB) & PDF (1.3MB) https://matsunoya.thebase.in/items/12058961


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(注)薬剤師国家試験問題及び解答の原本としては、厚生労働省のホームページにあるものを参考として、独自にデータベース化したものを使用しています。参考資料:厚生労働省|第101回薬剤師国家試験問題及び解答(平成28年2月27日、2月28日実施) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000117691.html
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