第103回薬剤師国家試験｜必須問題 / 問20 Q. 業務上疾病のうち、疾病者数が最も多いのはどれか。

1. レイノー病 2. 胆管がん 3. 酸素欠乏症 4. 潜函病 5. 災害性腰痛 （論点：職業病　安全衛生関係統計・災害事例）

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　こんにちは！薬学生 の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験 の必須問題（衛生）から職業病を論点とした問題です。

問103-20では、職業病（厚生労働省の正式な言い方では、業務上疾病といいます。）のうち、「発生状況等調査に関する安全衛生関係統計・災害事例」の最近の主な動向を理解しているかを問われました。最新の詳細な情報としては、厚生労働省の「安全衛生関係統計・災害事例について / 業務上疾病発生状況等調査 平成26年-平成28年 第1表 業務上疾病発生状況（業種別・疾病別）」( http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/toukei.html )に科学的かつ目的に合った情報が記載されていますので、一読することをお勧めします。上記の近年3年間（2014年～2016年）の厚生労働省の報告書を参考として、業種別・疾病別にみた疾病者数について3つのテーマに分けて解説します。

※集計と作図：松廼屋｜論点解説（第103回薬剤師国家試験　必須問題　衛生　問20）より

設問で問われていることは、業種別・疾病別にみた疾病者数の順位です。図1は、厚生労働省の上記統計から作図した松廼屋オリジナルの論点解説グラフです。ご覧ください。図1に示したように、2014年から2016年にかけての業務上疾病の統計によれば、「負傷 / 災害性腰痛」が疾病者数の約6割を占めていることがわかります。その次に多い要因は「異常温度」であり、そのうち熱中症が、異常温度に起因する業務上疾病の大部分を占めます。

ここでは、さらに理解を深めるために、同じ厚生労働省の統計から、疾病者の死者数に着目してみましょう。死者数に関しては、疾病者数と傾向が異なり、業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等による死者数が最も多く、次に多いのが「異常温度」に起因する死者、その中で大部分を占めるのは熱中症です。その次に、業務に起因する精神疾患が続きます。業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等、精神疾患は、全疾病者数のグラフ（図1）で明らかなように、疾病者として多くありません。しかし、結果として疾病者の致死率が大きいことから、安全衛生関係統計上、考慮すべき業務上疾病です。業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等および精神疾患による死亡は、すなわち、過労死である可能性が高い業務上疾病ととらえることもできます。なお、詳細には、2014年から2016年の3年間に、業務に起因した脳血管疾患・心臓疾患等、異常温度に起因した熱中症、および、業務に起因した精神障害で死亡した業務上疾病者の合計は、それぞれ、100人/3年間、53人/3年間、および、45人/3年間です。業務上疾病による死亡者数の合計は3年間で310名ですから、業務に起因した脳血管疾患・心臓疾患等、および、精神障害で死亡した業務上疾病者、すなわち、過労死した可能性の高い人の割合は、業務上疾病の死者数の47%に相当します。（ただし、この数値に関して、配慮しなければいけないことは、これは、業務上疾病として扱われている人数であって、業務上疾病として扱われていない過労死は、統計数に反映されていないことです。）以下に示す図2（業務上疾病発生状況｜業種別・疾病別にみた死者数）は、厚生労働省の上記統計データから作図した松廼屋オリジナルの論点解説グラフです。ご覧ください。（テーマ2につづく）

※集計と作図：松廼屋｜論点解説（第103回薬剤師国家試験　必須問題　衛生　問20）より
※論点解説で使用しているグラフを作成できるExcel book templateは、デジタルコンテンツダウンロード商品として、ご購入いただくことができます。こちら　＞　オリジナルデータベースとピボットテーブル・ピボットグラフが付帯　Matsunoya's original database #BlNt_Excel10001｜Microsoft Excel book (57KB) & PDF (267KB)　https://matsunoya.thebase.in/items/11513211

【A】疾病のうち、疾病者数が最も多い要因は、【B】であり、

近年（2014年 - 2016年）、【B】のうちの【C】が【A】疾病の【D】割を占める。

A. 業務上

B. 負傷

C. 災害性腰痛

D. 6

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以上。BLNtより。

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更新日：2018.05.25

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