2018/06/01 14:19

第103回薬剤師国家試験|必須問題 / 問20 Q. 業務上疾病のうち、疾病者数が最も多いのはどれか。
1. レイノー病 2. 胆管がん 3. 酸素欠乏症 4. 潜函病 5. 災害性腰痛 (論点:職業病 安全衛生関係統計・災害事例)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-20【衛生】論点:職業病 / 安全衛生関係統計・災害事例
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第103回薬剤師国家試験|必須問題 / 問20
問103-20(論点:職業病 / 安全衛生関係統計・災害事例)を
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-20【衛生】論点:職業病 2

 こんにちは!薬学生 の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験 の必須問題(衛生)から職業病を論点とした問題です。
問103-20では、職業病(厚生労働省の正式な言い方では、業務上疾病といいます。)のうち、「発生状況等調査に関する安全衛生関係統計・災害事例」の最近の主な動向を理解しているかを問われました。最新の詳細な情報としては、厚生労働省の「安全衛生関係統計・災害事例について / 業務上疾病発生状況等調査 平成26年-平成28年 第1表 業務上疾病発生状況(業種別・疾病別)」( http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/toukei.html )に科学的かつ目的に合った情報が記載されていますので、一読することをお勧めします。上記の近年3年間(2014年~2016年)の厚生労働省の報告書を参考として、業種別・疾病別にみた疾病者数について3つのテーマに分けて解説します。

テーマ2. 業務上疾病 / 職業性腰痛の最近の動向|


図1 職業性腰痛について|厚生労働省 / 職場における腰痛予防対策指針
※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より

業務上疾病の約6割を占める「災害性腰痛」を含む「職業性腰痛」について解説します。職業性腰痛に関する最新の詳細な情報としては、厚生労働省|職場における腰痛予防の取組を!職場における腰痛予防対策指針の改訂の概要等 平成25年6月
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/youtsuushishin.htmlに掲載されている厚生労働省|職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会報告書 平成25年6月 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034mu2_1.pdfに科学的かつ目的に合った情報が記載されていますので、一読することをお勧めします。上記、報告書によれば、平成23年(2011年)の業種別腰痛発生状況は、運輸交通業 / 道路旅客・貨物運送業、商業 / 小売業、保健衛生業 / 社会福祉施設医療保健業で発生が多く、近年の特徴としては、社会福祉施設における休業4日以上腰痛発生件数の推移を見ると、2002年の363 件から2011年の1002 件へと10年間で2.7倍に増加していることが挙げられます。関連するイベントとしては2000年介護保険制度導入以降の、介護労働者の増加(1.7倍)がありますが、この増加を上回って腰痛が発生していることがわかります。職業性腰痛は、災害性腰痛(業務上の負傷に起因する疾病のうちの腰痛 / 労基則別表第1の2第1号)と非災害性腰痛(重量物を取り扱う業務、腰部に過度の負担を与える不自然な作業姿勢により行う業務その他腰部に過度の負担のかかる業務による腰痛 / 労基則別表第1の2第3号の2)に分類されますが、報告書の図表1(平成23年に発生した休業4日以上の腰痛)によれば、医療保健業および社会福祉施設 における腰痛の9割は災害性腰痛に分類されます。本設問では業務上疾病のうち、疾病者数が多い疾病を問われましたが、併せて2000年の介護保険制度導入以降の介護労働者増加と時期を同じくする保健衛生業における職業性腰痛の著しい増加とそれに対する対策および指針を把握していることも医療従事者の知識として求められているといえるかもしれません。厚生労働省は、腰痛予防対策指針の普及のため、平成25年(2013年)度、都道府県労働局での周知・指導および社会福祉施設に対する労働災害防止対策支援事業を実施していくこととしました。

図2 業務上疾病発生状況|業種別疾病者数 / 災害性腰痛(2014 - 2016)|厚生労働省
※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20;追加資料)より
※論点解説で使用しているグラフを作成できるデジタルコンテンツダウンロード商品を、ご購入いただくことができます。こちら > オリジナルデータベースとピボットテーブル・ピボットグラフが付帯 Matsunoya's original database #BlNt_Excel20001|Microsoft Excel book (243KB) & PDF (762KB) https://matsunoya.thebase.in/items/11546698


図2は、厚生労働省の上記統計から作図した松廼屋オリジナルの論点解説グラフです。ご覧ください。図2に示したように、災害性腰痛は、業種として保健衛生業で疾病者数が最も多く、2014年、2015年、2016年に、それぞれ1348人、1361人、1423人と、3年間で延べ4132人が災害性腰痛の業務上疾病者とされています。これは、「職場における腰痛予防対策指針」が改訂された2013年の負傷に起因する腰痛(1328人)と比較して、各年毎に増加傾向を示している結果であり、当該指針( http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034pjn_1.pdf )の普及による現場での一層の対策が必要とされる現状が見て取れます。
次に、業種別の死亡数に関して解説します。業務上疾病による死亡数に関しては、テーマ1で解説したように、2014年から3年間の上位3位までの業種は、それぞれ、業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等、異常温度による熱中症、業務に起因する精神障害でした。図3は、厚生労働省の上記統計から作図した松廼屋オリジナルの論点解説グラフです。ご覧ください。図3に示したように、熱中症による業務上疾病としての死亡数が最も多いのは、建設業です。

図3 業務上疾病発生状況|業種別疾病者数(死亡数) / 熱中症(2014 - 2016)|厚生労働省
※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20;追加資料)より
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図4および図5に、それぞれ、業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等、および、業務に起因する精神障害における業種別業務上疾病死亡数を示します。これらは、過労死である可能性が高い業務上疾病の死亡数であるといえます。以下のグラフから、脳血管・心臓疾患等による死亡は運輸交通業に多く、続いて、商業・金融・広告業、一方、精神障害による死亡は製造業小計が最も多く、続いて、商業・金融・広告業は特に2014年に4名、2015年に6名、3年間で11名の業務に起因した精神障害による死亡者を出しており、また、製造業の中では、一般・電気・輸送用機械工業の業種において特に2016年に4名、3年間で6名の精神障害による死亡者を出していることがわかります。いわゆる過労死については、薬剤師としての役割にかぎらず、2018年5月現在、注目されている「働き方改革」の職場における導入の方向性や、労働安全衛生からの対策、特にメンタルヘルスに関する年間計画策定と実行等への関心を持つべきでしょう。なお、人口対比ではないので、業種別の疾病者数は、各業種の占める人口割合にも依存することは、統計を見るうえで配慮すべきです。各業種における業務上疾病の傾向と対策を相対的に語るときは、人口対比の統計値による考察もまた必要とされます。

図4 業務上疾病発生状況|業種別疾病者数(死亡数) / 脳血管疾患・心臓疾患等(2014 - 2016)|厚生労働省
※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20;追加資料)より

図5 業務上疾病発生状況|業種別疾病者数(死亡数) / 精神障害(2014 - 2016)|厚生労働省
※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20;追加資料)より
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他の選択肢(1. レイノー病 2. 胆管がん 3. 酸素欠乏症 4. 潜函病)等の業務上疾病の分類およびその業務上疾病の概要に関してはテーマ3で解説します。(テーマ3につづく)

ポイント|
【A】での【B】・【C】は、2002年から2011年の10年間で【D】倍に増加しており、2000年の介護保険制度導入以降の、介護労働者の増加(【E】倍)を上回る増加を示している。
厚生労働省は、2013年に、【F】対策指針の普及のため、都道府県【G】による周知・指導および【A】に対する【H】支援事業を実施していくこととした。2013年から2016年の【B】の疾病者数は、毎年、緩やかな【I】傾向を示している。

A. 社会福祉施設
B. 災害性腰痛
C. 非災害性腰痛
D. 2.7
E. 1.7
F. 腰痛予防
G. 労働局
H. 労働災害防止対策
I. 増加

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以上。BLNtより。

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