2019/02/02 11:00

第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問133 Q. 有害化学物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1. マラチオンは残留性が低いので、残留農薬基準値は定められていない。
2. 2 ,3 ,7 ,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンの毒性等価係数は1である。
3. 鉛の消化管吸収率は、成人より幼児の方が高い。
4. 有機スズ化合物に内分泌かく乱作用が認められるため、缶詰の内側をスズメッキするのは禁止されている。
5. 無機ヒ素はヒト体内でメチル化を受け、毒性の低いアルセノベタインに変換される。
(論点:有害化学物質)
薬剤師国家試験対策には、松廼屋のe-ラーニング「薬剤師国家試験対策ノート」ワンストップでお届けします。Twitterからの情報発信サイト @Mats_blnt_pharm ( https://twitter.com/Mats_blnt_pharm )と連動してBLOG( https://matsunoya.thebase.in/blog )から「松廼屋の論点解説」をお届けします。

松廼屋 Mats.theBASE https://matsunoya.thebase.in/

関連するeラーニング教材はこちら▼
薬剤師国家試験対策には、このSNS eラーニングをお勧めします!もしも、授業や補習等で、グループや担当教官の方がeラーニング教材および解説コンテンツを含む資材を活用するご希望があれば、CONTACThttps://thebase.in/inquiry/matsunoya)からお問い合わせください。代理店等は置いておりません。直接、松廼屋 Mats.theBASEのサイトからお問い合わせを承ります。
ツイッターで学ぶコースに入りませんか?
第97回薬剤師国家試験から第101回薬剤師国家試験の衛生の全過去問題(※解なしを除く)を、わかりやすい論点解説動画や最新の科学的根拠へのリンク、科学的根拠に基づくポイントのまとめ、オリジナルの美しいグラフ等でサクッと学べます。
さらに、第102回および第103回薬剤師国家試験の過去問題も追加して、4月から2018年度のカリキュラムが絶賛進行中です。
会員登録のお申込み(@MatsBlNt_witEL on Twitter)

 ※このBLOGを含む松廼屋 Mats.theBASEのコンテンツは、全て、当店のeラーニング教材をご購入する可能性のあるお客様に提供する「商品の品質や内容を知っていただくことを目的とした情報開示およびサービス」です。転用・複製等の著作権違反行為はご遠慮ください。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問102-133【衛生】論点:有害化学物質3 / 農薬

こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の衛生から、有害化学物質を論点とした問題です。第102回薬剤師国家試験【衛生】薬学理論問題の問133(問102-133)では、有害化学物質である有機リン系農薬(マラチオン)、ダイオキシン類(2 ,3 ,7 ,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン)、重金属()、環境ホルモン(有機スズ化合物)、および、ヒ素およびヒ素化合物(無機ヒ素化合物・有機ヒ素化合物)に関する理解が問われました。
論点解説を無料で体験していただけます。問102-133(論点:有害化学物質)を解説します。苦手意識がある人も、この機会に、有害化学物質の基礎を一緒に完全攻略しましょう!選択肢の記述および論点別に、連続して5回にわたって解説します。このBLOGでは、第3回(問102-133-1)の論点解説をお届けします。
第1回 2019/01/31 19:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/31/190000
第2回 2019/02/01 11:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/02/01/110000
第3回 2019/02/02 11:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/02/02/110000
第4回 2019/02/03 11:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/02/03/110000
第5回 2019/02/04 11:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/02/04/110000

目次|
1. 問102-133-4 論点:有害化学物質 / 有機スズ化合物 / 内分泌かく乱作用|
2. 問102-133-5 論点:有害化学物質 / ヒ素・ヒ素化合物|
3. 問102-133-1 論点:有害化学物質 / 農薬 / ポジティブリスト制度|
4. 問102-133-2 論点:有害化学物質 / ダイオキシン類 / 毒性等価係数|
5. 問102-133-3 論点:有害化学物質 / 鉛 / 暴露・吸収|

3.
問102-133-1 論点:有害化学物質 / 農薬 / ポジティブリスト制度|Q1. マラチオンは残留性が低いので、残留農薬基準値は定められていない。【正/誤】

解説します。第102回薬剤師国家試験 問133 選択肢1(問102-133-1)は、マラチオン残留農薬基準値が論点とされました。食品に残留する農薬についての残留農薬等に関する新制度(ポジティブリスト制度)および農薬の残留基準をテーマとした記述の正誤問題です。類題に、第97回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124(問97-133 論点解説: https://matsunoya.thebase.in/blog/2018/09/26/150000 )および第101回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124選択肢1(問101-124-1)があります。合わせてチャレンジしましょう。
問102-133-1へのアプローチとしては、ポジティブリスト制度によってすべての農薬に、例外なく、食品ごとの残留基準値(※一律基準〔0.01ppm〕を含む)が設定されていることを思い出しましょう。マラチオンに対しても、他のすべての農薬同様、残留基準が定められていることは、ポジティブリスト制度の仕組みが理解できれば明らかなので、ポジティブリスト制度という論点から、記述問題の正誤を見極めます。食品に残留する農薬についてのポジティブリスト制度および農薬の残留基準に関する、最新の科学的根拠に基づく参考資料としては、厚生労働省のホームページ(HP)「厚生労働省|食品中の残留農薬等 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/zanryu/index.html 」の「ポジティブリスト制度についてのパンフレット http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu2/dl/060516-1.pdf 〔文献1〕」に、情報がわかり易く整理してありました。詳細は、上記、厚生労働省HPとパンフレット(PDF)をご参照ください。参考資料によれば、ポジティブリスト制度は、平成15年(2003年)の食品衛生法改正に基づき、食品中に残留する農薬等(ただし、農薬等とは、農薬以外に、飼料添加物、動物用医薬品を、その範囲に含む)について、それぞれの食品中の残留基準(※一律基準〔0.01ppm〕を含む)を設定し、基準を超えて食品中に残留する場合、その食品の販売等の禁止を行うとしたものです。

ポジティブリスト制度は、平成18年(2006年)5月に施行されました。法改正前の「ネガティブリスト制度」は、規制する農薬等のみをリスト化したもので、リスト化された農薬等(283品目)以外の農薬には、残留に関する規制がなかったことが特徴です。それに対して、法改正後の「ポジティブリスト制度」では、すべての農薬に、食品中の残留基準値が定められました。ポジティブリスト制度では、使用・残留等に起因して食品中に認められる農薬等の残留基準を設定し、一方、それ以外の(対象食品では使用されない・残留しない)農薬等について、一律基準(0.01ppm)を適用することとされました。一律基準が0.01ppm(10 ng/mL or 10 ng/g)である所以は、食品の成分に係る規格「残留基準」が定められていない農薬等には「人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が一定量を告示」し、その一定量(0.01ppm)を超えて残留する食品の販売等を禁止するとされたことによります。なお、マラチオンの残留基準値は、日本食品化学研究振興財団のホームページ(残留農薬基準値検索システム|食品に残留する農薬、動物用医薬品および飼料添加物の限度量一覧表 http://db.ffcr.or.jp/front/ 農薬等の基準値>マラチオン〔文献2〕)から閲覧することが可能です。例えば、マラチオンの残留基準値は、食品分類名毎に、米(玄米) 0.1 ppm、小麦 10 ppm、大麦 2 ppm、ライ麦 2 ppm、とうもろこし 2 ppm、そば 2 ppmなどと定められています。
追記|
マラチオンは毒物混入事件で使用されたことによって報道され注目されました。事件はアクリフーズ(現マルハニチロ)群馬工場で製造された冷凍食品にマラチオンが混入されたもので、2013年12月に発覚、2014年1月に同社勤務の契約社員が逮捕されたという経緯でした(厚生労働省|健康危機・健康被害への対応 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000043237.html )。農薬工業会のHP(農薬工業会|農薬中毒の症状と治療法(医療従事者向け) http://www.jcpa.or.jp/labo/poisoning/ 〔文献3〕)によれば、マラチオン(別名|マラソン)は、有機リン系農薬に分類され、中毒症状の作用機序は、コリンエステラーゼ活性阻害です。軽症で発汗・流涎・悪心・嘔吐、軽度の縮瞳、中等症で縮瞳、筋けいれん、血圧上昇、頻脈、言語障害などが認められます。有機リン系農薬の中毒の治療法はアトロピン・プラリドキシム(PAM)併用療法です。合わせて、この機会に覚えておきましょう。なお、薬剤師国家試験問題では、農薬名が出題されることがあります。文献3から、有機リン系農薬のリストを抜粋します(若干改変)。農薬登録が失効した農薬もたまに出題されるので一覧します。一読しておくといいです。
有機リン系農薬 一覧
殺虫剤|アセフェート、イソキサチオン、エチルチオメトン、カズサホス、クロルピリホス、ジメトエート、ダイアジノン、ピリミホスメチル、プロチオホス、プロフェノホス、ホスチアゼート、マラソン(マラチオン)、メスルフェンホス、CYAP、DDVP、DEP、DMTP、EPN、MEP、MPP、PAP 〔農薬登録失効〕エチオン、エトリムホス、キナルホス、クロルピリホスメチル、サリチオン、ジアリホール、ジメチルビンホス、スルプロホス、チオメトン、バミドチオン、パラチオン、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、プロパホス、ホサロン、ホルモチオン、メカルバム、メチルパラチオン、モノクロトホス、BRP、CVMP、CVP、ECP、ESP、PMP
殺菌剤|IBP 〔農薬登録失効〕イソフェンホス、EDDP
除草剤その他|エテホン、ブタミホス 〔農薬登録失効〕アミプロホスメチル、ピペロホス、SAP
(その4につづく|次回は、第4回(問102-133-2)の論点解説をお届けします。2019/02/03 11:00 公開)
YouTube|※論点解説動画で予習・復習ができます。
走る!「衛生」Twitter Ver. 有害化学物質/第102回-問133|薬剤師国家試験対策ノート



ポイント|
【A】の改正により、食品中の【B】について、改正前の【C】制度にかえて、【D】制度が施行された(平成18年(2006年)5月29日)。食品に【E】農薬等について食品中の【F】が定められ、一方、【E】ことがないため【F】が設定されなかった農薬等については、【A】に基づき「人の【G】おそれのない量」として【H】が一定量を告示し、いわゆる【I】が設定された。【J】につき、それぞれの食品中の【B】が、【F】(【I】を含む)を超えた場合、その食品の【K】を行うとされた。

A. 食品衛生法
B. 残留農薬
C. ネガティブリスト
D. ポジティブリスト
E. 使用される、または、残留する
F. 残留基準
G. 健康を損なう
H. 厚生労働大臣
I. 一律基準(0.01ppm)
J. すべての農薬
K. 販売等の禁止

では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問133 Q. 有害化学物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1. マラチオンは残留性が低いので、残留農薬基準値は定められていない。
2. 2 ,3 ,7 ,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンの毒性等価係数は1である。
3. 鉛の消化管吸収率は、成人より幼児の方が高い。
4. 有機スズ化合物に内分泌かく乱作用が認められるため、缶詰の内側をスズメッキするのは禁止されている。
5. 無機ヒ素はヒト体内でメチル化を受け、毒性の低いアルセノベタインに変換される。
(論点:有害化学物質)
楽しく!驚くほど効率的に。
まずは、薬剤師国家試験 必須問題で、キックオフ!走りだそう。きっと、いいことあると思う。
関連するeラーニング教材はこちら▼
薬剤師国家試験対策には、このSNS eラーニングをお勧めします!
第97回薬剤師国家試験から第101回薬剤師国家試験の衛生の全問題(※解なしを除く)を、わかりやすい論点解説動画や最新の科学的根拠へのリンク、科学的根拠に基づくポイントのまとめ、オリジナルの美しいグラフ等でサクッと学べます。
さらに、第102回および第103回薬剤師国家試験の過去問題も追加して、4月から2018年度のカリキュラムが絶賛進行中です。
会員登録のお申込み(@MatsBlNt_witEL on Twitter)

高機能LMSを使用した eラーニングは、こちらです。
走る!「物理」第1巻(必須問題・薬学理論問題)、第2巻(薬学実践問題)

走る!「薬理」第1巻(必須問題・薬学理論問題)、第2巻(薬学実践問題)

以上。BLNtより。


「薬剤師にしか、できない仕事がある。夢は、かなう。」

▼目的実現型のコンテンツ
▼企業イントラスペックの学習空間
▼PC・モバイル・スマートフォン対応

医薬系ウェブコンテンツ制作販売 松廼屋 MATSUNOYA

ECショップ 松廼屋 Mats.theBASE
URL: https://matsunoya.thebase.in/ 2017.3.11 open
mail:  info_01.matsunoya@vesta.ocn.ne.jp  (Matsunoya Client Support) 
tel: 029-872-9676
店長: 滝沢幸穂(Yukiho.Takizawa)
Twitterからの情報発信は、ほぼ毎日更新中です。
Check it out! ▼
MATSUNOYA.BlNt.Pharm(@Mats_blnt_pharm) https://twitter.com/Mats_blnt_pharm
Twitter連携-Facebookページからも情報発信しています。お気に入りに登録して、ぜひご活用ください。
facebook ショップの情報発信アカウント
 医薬系ウェブコンテンツ制作販売 松廼屋
facebook e-ラーニング教材の情報発信アカウント
 薬剤師国家試験対策ノート(@MATSUNOYA.BlNt.Pharm
更新日:2019.02.02
制作:滝沢幸穂(Yukiho.Takizawa)phD ■Facebook プロフィール https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa

松廼屋 Mats.theBASE BLOG https://matsunoya.thebase.in/blog

 ※役立つ情報がいっぱい!松廼屋 Mats.theBASE BLOGをお気に入りに登録してください。
松廼屋 Mats.theBASE BLOGに掲載されたコンテンツは、eラーニング教材の一部です。当店のeラーニング教材をご購入する可能性のあるお客様に提供する「商品の品質や内容を知っていただくことを目的とした情報開示およびサービス」として、BLOGへのリンクから、サクッとわかる!テキストコンテンツと、視認性を追求した美しいまとめの図、さらに論点解説動画を無料で体験していただくことができます。できたて論点解説を、松廼屋 Mats.theBASE BLOGで、特別大公開中! https://matsunoya.thebase.in/blog





薬剤師国家試験の論点と最新の科学的根拠をリレーション。100以上の論点にフォーカス、各設問に対して、論点をまとめた視認性の高いオリジナル画像や動画解説、そして科学的根拠として300以上の信頼しうる参考資料へのリンクをご用意しました。各問に対して素早い理解と深い学びが滑らかにつながる!2018年度のカリキュラムが始まりました。必須問題、薬学理論問題、薬学実践問題(第97回-第101回完全収納)第102回と第103回の問題の論点解説と関連する科学的根拠の原本のご紹介も追加、盛りだくさんなのに、ますます、楽しく!驚くほど効率的に。
eラーニング教材の詳細情報はこちら▼

上記の商品詳細のページに、BLOGへのリンクから、無料で体験していただくことができるeラーニング教材の一部(BLOGに掲載された薬剤師国家試験の過去問題についての論点解説一覧とリンク)を示しています。ぜひ、お試しください。
(注)薬剤師国家試験問題および解答の原本としては、厚生労働省のホームページにあるものを参考として、独自にデータベース化したものを使用しています。参考資料:厚生労働省|薬剤師国家試験のページ 過去の試験問題及び解答
■高機能LMS eラーニング教材およびサービスの情報等の商品詳細はこちらです。eラーニングを研修のため、ちょっと短期間だけ使ってみたいなど、御社に最適化したカスタマイズも承ります。CONTACT(https://thebase.in/inquiry/matsunoya)からお問い合わせください。
ECショップ 松廼屋 Mats.theBASE

インスタグラムから情報発信を始めました!


eラーニング教材の詳細情報はこちら▼
Twitter、Facebookからの情報発信も、更新中です。お友達や知り合いに、松廼屋 Mats.theBASE BLOGで学習したeラーニングを勧めてみたい方は、いいね!口コミおススメなど、よろしくお願いします!