2019/02/04 11:00

第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問133 Q. 有害化学物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1. マラチオンは残留性が低いので、残留農薬基準値は定められていない。
2. 2 ,3 ,7 ,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンの毒性等価係数は1である。
3. 鉛の消化管吸収率は、成人より幼児の方が高い。
4. 有機スズ化合物に内分泌かく乱作用が認められるため、缶詰の内側をスズメッキするのは禁止されている。
5. 無機ヒ素はヒト体内でメチル化を受け、毒性の低いアルセノベタインに変換される。
(論点:有害化学物質)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問102-133【衛生】論点:有害化学物質5 / 鉛

こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の衛生から、有害化学物質を論点とした問題です。第102回薬剤師国家試験【衛生】薬学理論問題の問133(問102-133)では、有害化学物質である有機リン系農薬(マラチオン)、ダイオキシン類(2 ,3 ,7 ,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン)、重金属()、環境ホルモン(有機スズ化合物)、および、ヒ素およびヒ素化合物(無機ヒ素化合物・有機ヒ素化合物)に関する理解が問われました。
論点解説を無料で体験していただけます。問102-133(論点:有害化学物質)を解説します。苦手意識がある人も、この機会に、有害化学物質の基礎を一緒に完全攻略しましょう!選択肢の記述および論点別に、連続して5回にわたって解説します。このBLOGでは、第2回(問102-133-5)の論点解説をお届けします。
第1回 2019/01/31 19:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/31/190000
第2回 2019/02/01 11:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/02/01/110000
第3回 2019/02/02 11:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/02/02/110000
第4回 2019/02/03 11:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/02/03/110000
第5回 2019/02/04 11:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/02/04/110000

目次|
1. 問102-133-4 論点:有害化学物質 / 有機スズ化合物 / 内分泌かく乱作用|
2. 問102-133-5 論点:有害化学物質 / ヒ素・ヒ素化合物|
3. 問102-133-1 論点:有害化学物質 / 農薬 / ポジティブリスト制度|
4. 問102-133-2 論点:有害化学物質 / ダイオキシン類 / 毒性等価係数|
5. 問102-133-3 論点:有害化学物質 / 鉛 / 暴露・吸収|

5.
問102-133-3 論点:有害化学物質 / 鉛 / 暴露・吸収|Q3. 鉛の消化管吸収率は、成人より幼児の方が高い。【正/誤】

解説します。第102回薬剤師国家試験 問133 選択肢3(問102-133-3)は、重金属のひとつであるの暴露・吸収(薬物動態)が論点とされました。鉛の消化管吸収率への年齢の影響をテーマとした記述の正誤問題です。鉛に関する最新の科学的根拠見基づく参考資料としては、食品安全委員会のホームページ(HP)(食品安全委員会|会議資料詳細 第9回 化学物質・汚染物質専門調査会 幹事会 http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20120322ka1 )のPDF「資料5-2 鉛に関する食品健康影響について一次報告2012年3月 食品安全委員会化学物質・汚染物質専門調査会 鉛ワーキンググループ」〔文献6〕に、情報がわかり易く整理してありました。詳細は、上記、食品安全委員会HPと報告書(PDF)をご参照ください。上記報告書を引用して、鉛の暴露・吸収に関して解説します。
鉛の体内動態|
ヒトが食品等に含まれる鉛の経口曝露を受けた場合、鉛は消化管で吸収される。
鉛の消化管吸収率は、成人の10-15%に対して小児では約40%と高い。
体内に吸収された鉛は、骨に最も多く蓄積され、成人では体内負荷量の94%が骨に存在し、小児では体内負荷量の73%が骨に存在する。
鉛の生物学的半減期については、成人の血液及び臓器等の軟組織で36-40日に対して骨では17-27年と長い。
女性に蓄積した鉛は、妊娠期に移行して胎盤を通過し、胎児の曝露源となる。
臍帯血中鉛濃度は母体血中鉛濃度の80-100%に相当する。授乳期に鉛は母体から母乳へ移行する。

小児は、一般的に手から口への動作(指をしゃぶる、食物または他の物を口の中に押し込む)を行い、これが成人よりも高い鉛曝露につながります。また、小児の鉛の吸収・蓄積は成人よりも大きいことから、小児の体重当たりの体内負荷量は成人よりも高い傾向を示します。小児における相対的に大きな曝露と体内負荷は、成長期に起こり、小児の様々なエンドポイント(例えば、鉛脳症、貧血、神経行動学発達障害、運動神経伝導速度低下)における最小作用量(LOEL)は、成人よりも低いとされます(US EPA 1986、1990)。食品中の鉛などの経口摂取された鉛は、十二指腸その他の部位から吸収され、消化管からの吸収量と速度は、曝露された者の生理状態(年齢、摂食状態、鉄・カルシウムの摂取状態等)と摂取媒体の物理化学的性状(粒子サイズ、溶解度等)により変化します。生後 2 週-8 歳の小児では摂取した鉛の約40%が(Ziegler et al. 1978)、一方、成人では10-15%程度が吸収されます(WHO 1995)。Drill ら(1979)は、2-3 歳の幼児における塗料片含有鉛の吸収率を17%、土壌・室内塵からの鉛の吸収率を 30%と推定しました。米国有害物質・疾病登録局(ATSDR 2007)は、成人の水溶性鉛化合物の吸収率を空腹時では20-70%、摂食時または食後では3-15%としています。

追記|
以上の科学的根拠から、小児の鉛の暴露量および体内付加は、成人よりも高く、また、鉛の消化管吸収率は、成人より小児の方が高い傾向が推察されますが、明らかに、統計的に有意に高いかどうかに関しては一貫した科学的根拠がないので、薬剤師国家試験問題として問うべき論点ならびに薬剤師として知っておくことは、鉛の吸収率への年齢の影響ではなく、考え方としては、小児における相対的に大きな曝露と体内負荷、さらに成長期であることに起因して、小児の様々なエンドポイント(鉛脳症、貧血、神経行動学発達障害、運動神経伝導速度低下)における最小作用量(LOEL)は、成人よりも低いので、小児の鉛暴露に関して注意喚起や啓もうが必要であることを意識しましょう。鉛暴露に関してのハイリスクグループがどのコホートであるかは、有害化学物質としての鉛へのアプローチポイントです。鉛の暴露に関してのハイリスクグループは、胎児、小児、妊娠期・授乳期の女性、および妊娠可能な年齢層の女性です。
(完。。|第1回 問102-133-4 論点解説はこちら https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/31/190000
YouTube|※論点解説動画で予習・復習ができます。
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ポイント|
【A】の体内動態について、食品等に含まれる【A】の経口曝露を受けた場合、【A】はヒト【B】で吸収される。【A】の【B】吸収率は、【C】の【D】に対して【E】では約【F】と高い。体内に吸収された【A】は、【G】に最も多く蓄積され、【C】では体内負荷量の【H】が【G】に存在し、【E】では体内負荷量の【I】が【G】に存在する。【A】の【J】については、【C】の血液・臓器等の軟組織で【K】に対して【G】では【L】と長い。女性の【G】に蓄積した【A】は、【M】に移行して【N】し、【O】の曝露源となる。臍帯血中【A】濃度は母体血中【A】濃度の【P】に相当する。【Q】に【A】は母体【G】から【R】する。【E】における相対的に大きな【S】は、【T】に起こり、【E】の様々なエンドポイント(例えば、【A】脳症、【U】)における【V】は【C】よりも低い。【A】暴露に関してのハイリスクグループは、【O】、【E】、【M】、【Q】の女性、【W】な年齢層の女性である。

A.
B. 消化管
C. 成人
D. 10 - 15%
E. 小児
F. 40%
G.
H. 94%
I. 73%
J. 生物学的半減期
K. 36 - 40日
L. 17 - 27年
M. 妊娠期
N. 胎盤を通過
O. 胎児
P. 80 - 100%
Q. 授乳期
R. 母乳へ移行
S. 曝露と体内負荷
T. 成長期
U. 貧血、神経行動学発達障害、運動神経伝導速度低下
V. 最小作用量(LOEL)
W. 妊娠可能

では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問133 Q. 有害化学物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1. マラチオンは残留性が低いので、残留農薬基準値は定められていない。
2. 2 ,3 ,7 ,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンの毒性等価係数は1である。
3. 鉛の消化管吸収率は、成人より幼児の方が高い。
4. 有機スズ化合物に内分泌かく乱作用が認められるため、缶詰の内側をスズメッキするのは禁止されている。
5. 無機ヒ素はヒト体内でメチル化を受け、毒性の低いアルセノベタインに変換される。
(論点:有害化学物質)
楽しく!驚くほど効率的に。
まずは、薬剤師国家試験 必須問題で、キックオフ!走りだそう。きっと、いいことあると思う。
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以上。BLNtより。


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