2019/01/10 14:00
第100回薬剤師国家試験|必須問題 / 問4 Q. 分析法バリデーションにおいて、分析法で得られる測定値の偏りの程度を示すパラメータはどれか。
選択肢
1. 真度
2. 精度
3. 特異性
4. 直線性
5. 検出限界
(論点:分析法バリデーション)
第97回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問96 Q. 医薬品分析法のバリデーションに関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 「真度」とは、均質な検体から採取した複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度のことである。
2. 「特異性」とは、試料中に共存すると考えられる物質の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力のことである。
3. 「検出限界」とは、試料中に含まれる分析対象物の定量が可能な低の量又は濃度のことである。
4. 「直線性」とは、分析対象物の量又は濃度に対して直線関係にある測定値を与える分析法の能力のことである。
(論点:分析法バリデーション)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問100-4【物理】論点:分析法バリデーション1
こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の物理から、分析法バリデーションを論点とした問題です。第100回薬剤師国家試験【物理】必須問題の問4(問100-4)では、分析法バリデーションにおける分析能パラメーター(Validation characteristics)の定義に関する理解が問われました。類題として、第97回薬剤師国家試験【物理】薬学理論問題の問96(問97-96)があります。問100-4および問97-96(論点:分析法バリデーション)を解説します。論点解説を無料で体験していただけます。苦手意識がある人も、この機会に、分析法バリデーションの概要と分析能パラメーター(Validation characteristics)の定義を一緒に完全攻略しましょう! 分析法バリデーションに関する最新の科学的根拠としては、第17改正日本薬局方(JP17)の参考情報(PMDA|第十七改正日本薬局方 http://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/standards-development/jp/0013.html 分割版20(参考情報・附録・索引) http://www.pmda.go.jp/files/000213048.pdf )にあるG1. 理化学試験関連/分析法バリデーションの項に記載の定義等が適当と考えますので、引用して、3回にわたって解説します。このBLOGでは、第3回の論点解説をお届けします。
第1回 2019/01/08 17:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/08/170000
第2回 2019/01/09 14:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/09/140000
第3回 2019/01/10 14:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/10/140000
目次|
1. 分析法バリデーションとは
2. 分析能パラメーターの種類
3. 分析能パラメーターの定義
3. 分析能パラメーターの定義|
3.6 直線性(Linearity)|
直線性とは、分析対象物の量(または濃度)に対して直線関係にある測定値を与える分析法の能力です。このとき、必要があれば、分析対象物の、それぞれ、量・濃度・測定値を、正確に定義された数式により変換した値を用いてもよいとされます。量(または濃度)が異なる分析対象物を含有する試料を用意し、測定値を得ます。回帰式および相関係数から直線性を評価します。通例、量(または濃度)が明らかな、量(または濃度)が異なる5種類の試料を用います。
3.7範囲(Range)|
分析法バリデーションにおける範囲とは、適切な「精度・真度」を与え、直線性が成り立つ分析対象物の下限・上限の量(または濃度)に挟まれた領域です。直線性のある分析法の場合には、適切な精度・真度を与えます。通例、分析法バリデーションにおける範囲は、試験の規格値±20%程度の幅です。範囲の上限値、下限値および中央付近の値の試料について、精度、真度および直線性を検討します。
3.8 頑健性(Robustness)|
頑健性という評価項目は、分析法バリデーションで検討する分析能パラメーターには含まれません。ただし、分析法の「開発段階」で頑健性を検討することによって、分析法を改善したり、最終的な分析法の分析条件(数値の有効数字など)または留意事項に反映します。
追記|
医薬品の分析に関する最近の話題としては、アスパラギン酸配合錠の有効成分の承認規格超過による全ロット回収、および、バルサルタン製剤におけるニトロソアミン(発がん性物質/不純物)の検出による自主回収がありました。医薬品の分析は、医薬品の安全と品質を確保するために最も重要な手段です。その分析法の妥当性を評価する分析法バリデーションおよび分析法の頑健性は、持続的で首尾一貫した品質保証の判断における重要な科学的根拠のひとつです。
(i) PMDA|医薬品回収の概要 アスパラ配合錠/田辺三菱製薬株式会社 (平成29年5月)
加速安定性試験(3箇月)の結果において、有効成分であるL-アスパラギン酸の定量値が137㎎を示し、承認規格(規格:119-136㎎)の上限を上回りました。また、市場に流通している使用期限内のその他ロットについても、承認規格を確保できない可能性が否定できない為、全ロット自主回収することとしました。
(ii) PMDA|事務連絡 バルサルタン製剤における発がん物質の検出に関する平成 30 年度第8回医薬品等安全対策部会安全対策調査会の審議結果について (平成30年10月)
中国の製造所Huahaiで製造しているバルサルタンの原薬から、ヒトに対して発がん性があるとされるN-ニトロソジメチルアミンが検出されたことを受け、あすか製薬株式会社は、同社が製造販売するバルサルタン錠の自主回収を行いました。
(完|この論点解説の第1回は、こちらからどうぞ → https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/08/170000)
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ポイント|
【A】とは、【B】に用いる【C】が、【C】を使用する【D】していること、すなわち、【C】の【E】が原因で生じる【F】の【G】が【H】程度であることを【I】することである。【C】の能力は【J】により表される。
【J】は、JP17の定義によれば7種類ある。【K】、【L】、【M】、【N】、【O】、【P】、【Q】が、それぞれ基準を満たすことを実証することで、【C】の能力を示して【C】の妥当性を立証する。
【K】|
【K】とは、【C】で得られる【R】の程度のことである。【S】と【T】との差で表される。
【L】|
【L】とは、複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の【U】が、【V】程度のことである。複数の試料を、均質な検体から採取して試験を行う。【L】は、【W】が異なる3つのレベル(併行【L】(【X】)・室内再現【L】(【Y】)・室間再現【L】(【Z】))で実証する。【L】は、【U】の【a】で表されるパラメーターである。
【M】|
【M】とは、【b】と考えられる物質(【c】する物質)の存在下で、分析対象物を【d】能力、すなわち、【C】の【e】を表すパラメーターである。個々の【C】が【M】に欠ける場合、【f】によって、これを補うという選択肢がある。
【N】|
【N】とは、試料中分析対象物の【g】が可能な最低の量(または濃度)のことである。【N】では、必ずしも【h】できるとは限らない。【N】における【i】の危険率(【j】の過誤/誤って【k】と判断される確率)および【l】の危険率(【m】の過誤/誤って【n】と判断される確率)が【o】以下となるように【N】を定める。
【O】|
【O】とは、試料中の分析対象物の【h】が可能な最低の量(または濃度)のことである。【O】の分析対象物を含む試料の【U】の【L】は、通例、【p】で【q】である。
【P】|
【P】とは、分析対象物の【r】に対して直線関係にある【U】を与える【C】の能力のことである。このとき、必要があれば、分析対象物の【r】(または【U】)を正確に定義された【s】した値を用いてもよいとされる。【r】が異なる分析対象物を含有する試料を用意し、【U】を得る。【t】から【P】を評価する。通例、【r】が異なる5種類の試料を用いる。
【Q】|
【A】における【Q】とは、適切な【L】・【K】を与え、【P】が成り立つ分析対象物の【v】の【r】に挟まれた領域のことである。【P】のある【C】の場合には、適切な【L】・【K】を与える。通例、【A】における【Q】は、試験の【w】±【x】程度の幅とされる。【Q】の【y】の試料について、【L】、【K】および【P】を検討する。
【z】|
【z】という評価項目は、【A】で検討する【J】には含まれないが、【C】の「開発段階」で【z】を検討することによって、【C】を改善し、最終的な【C】の分析条件(数値の有効数字/例えば、厳密に分析条件を固定する必要があるか幅を持たせることが可能か)または留意事項に反映する。
A. 分析法バリデーション
B. 医薬品の試験法
C. 分析法
D. 意図に合致
E. 誤差
F. 試験の判定の誤り
G. 確率
H. 許容できる
I. 科学的に立証
J. 分析能パラメーター
K. 真度 (Accuracy/Trueness)
L. 精度 (Precision)
M. 特異性 (Specificity)
N. 検出限界 (Detection limit)
O. 定量限界 (Quantitation limit)
P. 直線性 (Linearity)
Q. 範囲 (Range)
R. 測定値の偏り
S. 真の値
T. 測定値の総平均
U. 測定値
V. 互いに一致する
W. 繰り返し条件
X. Repeatability/Intra-assay precision
Y. Intermediate precision
Z. Reproducibility
a. 分散、標準偏差または相対標準偏差
b. 試料中に共存する
c. 夾雑
d. 正確に測定する
e. 識別能力
f. 別の試験法
g. 検出
h. 定量
i. 消費者
j. 第二種
k. 合格
l. 生産者
m. 第一種
n. 不合格
o. 5%
p. 相対標準偏差
q. 10%
r. 量(または濃度)
s. 数式により変換
t. 回帰式および相関係数
u. 5種類
v. 下限と上限
w. 規格値
x. 20%
y. 上限値、下限値および中央付近の値
z. 頑健性 (Robustness)
では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第100回薬剤師国家試験|必須問題 / 問4 Q. 分析法バリデーションにおいて、分析法で得られる測定値の偏りの程度を示すパラメータはどれか。
選択肢
1. 真度
2. 精度
3. 特異性
4. 直線性
5. 検出限界
(論点:分析法バリデーション)
第97回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問96 Q. 医薬品分析法のバリデーションに関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 「真度」とは、均質な検体から採取した複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度のことである。
2. 「特異性」とは、試料中に共存すると考えられる物質の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力のことである。
3. 「検出限界」とは、試料中に含まれる分析対象物の定量が可能な低の量又は濃度のことである。
4. 「直線性」とは、分析対象物の量又は濃度に対して直線関係にある測定値を与える分析法の能力のことである。
(論点:分析法バリデーション)
楽しく!驚くほど効率的に。
まずは、薬剤師国家試験 必須問題で、キックオフ!走りだそう。きっと、いいことあると思う。
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以上。BLNtより。
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