2019/01/08 17:00

第100回薬剤師国家試験|必須問題 / 問4 Q. 分析法バリデーションにおいて、分析法で得られる測定値の偏りの程度を示すパラメータはどれか。
選択肢
1. 真度
2. 精度
3. 特異性
4. 直線性
5. 検出限界
(論点:分析法バリデーション)
第97回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問96 Q. 医薬品分析法のバリデーションに関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 「真度」とは、均質な検体から採取した複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度のことである。
2. 「特異性」とは、試料中に共存すると考えられる物質の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力のことである。
3. 「検出限界」とは、試料中に含まれる分析対象物の定量が可能な低の量又は濃度のことである。
4. 「直線性」とは、分析対象物の量又は濃度に対して直線関係にある測定値を与える分析法の能力のことである。
(論点:分析法バリデーション)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問100-4【物理】論点:分析法バリデーション1

こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の物理から、分析法バリデーションを論点とした問題です。第100回薬剤師国家試験【物理】必須問題問4(問100-4)では、分析法バリデーションにおける分析能パラメーター(Validation characteristics)の定義に関する理解が問われました。類題として、第97回薬剤師国家試験【物理】薬学理論問題問96(問97-96)があります。問100-4および問97-96(論点:分析法バリデーション)を解説します。論点解説を無料で体験していただけます。苦手意識がある人も、この機会に、分析法バリデーションの概要と分析能パラメーター(Validation characteristics)の定義を一緒に完全攻略しましょう! 分析法バリデーションに関する最新の科学的根拠としては、第17改正日本薬局方(JP17)の参考情報(PMDA|第十七改正日本薬局方 http://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/standards-development/jp/0013.html 分割版20(参考情報・附録・索引) http://www.pmda.go.jp/files/000213048.pdf )にあるG1. 理化学試験関連/分析法バリデーションの項に記載の定義等が適当と考えますので、引用して、3回にわたって解説します。このBLOGでは、第1回の論点解説をお届けします。
第1回 2019/01/08 17:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/08/170000
第2回 2019/01/09 14:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/09/140000
第3回 2019/01/10 14:00 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/01/10/140000


目次|
1. 分析法バリデーションとは
2. 分析能パラメーターの種類
3. 分析能パラメーターの定義

1. 分析法バリデーションとは|

分析法バリデーションの定義について解説します。分析法バリデーションとは、「医薬品の試験法」に用いる分析法が、分析法を使用する意図に合致していること、すなわち、分析法の誤差が原因で生じる「試験の判定の誤り」の確率許容できる程度であることを科学的に立証することです。分析法の能力は「分析能パラメーター」により表されます。

2. 分析能パラメーターの種類|

分析能パラメーターの概要について解説します。分析能パラメーターは、JP17の定義によれば7種類あります。すなわち、真度(Accuracy/Trueness)、精度(Precision)、特異性(Specificity)、検出限界(Detection limit)、定量限界(Quantitation limit)、直線性(Linearity)、範囲(Range)が、それぞれ基準を満たすことを実証することで、分析法の能力を示して分析法の妥当性を立証します。

3. 分析能パラメーターの定義|

それぞれの分析能パラメーターの定義をJP17から引用します。

3.1 真度(Accuracy/Trueness)|
真度とは、分析法で得られる「測定値の偏り」の程度です。「真の値」と「測定値の総平均」とので表されます。真度の推定値は、精度を実証する際に得られた測定値の総平均と「真の値」とのとして表します。
3.2 精度(Precision)|
精度とは、複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度です。複数の試料を、均質な検体から採取して試験を行います。精度は、繰り返し条件が異なる3つのレベル(併行精度・室内再現精度・室間再現精度)で実証します。精度は、測定値の分散、標準偏差または相対標準偏差で表されるパラメーターです。

(i) 併行精度(Repeatability/Intra-assay precision)|
併行条件での精度です。分析条件を変えずに、均質な検体から採取した複数の試料を短時間内繰り返し分析して評価を行います。
(ii) 室内再現精度(Intermediate precision)|
室内再現条件の精度です。同一「試験室」内で、試験者、試験日時、装置、器具および試薬のロットなど、一部または全ての分析条件を変えて、複数の試料を繰り返し分析して評価を行います。
(iii) 室間再現精度(Reproducibility)|
室間再現条件の精度です。「試験室」を変更して、複数の試料を繰り返し分析して評価します。

(次回は、3.3 特異性(Specificity)から解説します。お楽しみに。|2019.01.09 14:00公開予定)
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ポイント|
【A】とは、【B】に用いる【C】が、【C】を使用する【D】していること、すなわち、【C】の【E】が原因で生じる【F】の【G】が【H】程度であることを【I】することである。【C】の能力は【J】により表される。
【J】は、JP17の定義によれば7種類ある。【K】、【L】、【M】、【N】、【O】、【P】、【Q】が、それぞれ基準を満たすことを実証することで、【C】の能力を示して【C】の妥当性を立証する。
【K】|
【K】とは、【C】で得られる【R】の程度のことである。【S】と【T】との差で表される。
【L】|
【L】とは、複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の【U】が、【V】程度のことである。複数の試料を、均質な検体から採取して試験を行う。【L】は、【W】が異なる3つのレベル(併行【L】(【X】)・室内再現【L】(【Y】)・室間再現【L】(【Z】))で実証する。【L】は、【U】の【a】で表されるパラメーターである。
【M】|
【M】とは、【b】と考えられる物質(【c】する物質)の存在下で、分析対象物を【d】能力、すなわち、【C】の【e】を表すパラメーターである。個々の【C】が【M】に欠ける場合、【f】によって、これを補うという選択肢がある。
【N】|
【N】とは、試料中分析対象物の【g】が可能な最低の量(または濃度)のことである。【N】では、必ずしも【h】できるとは限らない。【N】における【i】の危険率(【j】の過誤/誤って【k】と判断される確率)および【l】の危険率(【m】の過誤/誤って【n】と判断される確率)が【o】以下となるように【N】を定める。
【O】|
【O】とは、試料中の分析対象物の【h】が可能な最低の量(または濃度)のことである。【O】の分析対象物を含む試料の【U】の【L】は、通例、【p】で【q】である。
【P】|
【P】とは、分析対象物の【r】に対して直線関係にある【U】を与える【C】の能力のことである。このとき、必要があれば、分析対象物の【r】(または【U】)を正確に定義された【s】した値を用いてもよいとされる。【r】が異なる分析対象物を含有する試料を用意し、【U】を得る。【t】から【P】を評価する。通例、【r】が異なる5種類の試料を用いる。
【Q】|
【A】における【Q】とは、適切な【L】・【K】を与え、【P】が成り立つ分析対象物の【v】の【r】に挟まれた領域のことである。【P】のある【C】の場合には、適切な【L】・【K】を与える。通例、【A】における【Q】は、試験の【w】±【x】程度の幅とされる。【Q】の【y】の試料について、【L】、【K】および【P】を検討する。
【z】|
【z】という評価項目は、【A】で検討する【J】には含まれないが、【C】の「開発段階」で【z】を検討することによって、【C】を改善し、最終的な【C】の分析条件(数値の有効数字/例えば、厳密に分析条件を固定する必要があるか幅を持たせることが可能か)または留意事項に反映する。

A. 分析法バリデーション
B. 医薬品の試験法
C. 分析法
D. 意図に合致
E. 誤差
F. 試験の判定の誤り
G. 確率
H. 許容できる
I. 科学的に立証
J. 分析能パラメーター
K. 真度 (Accuracy/Trueness)
L. 精度 (Precision)
M. 特異性 (Specificity)
N. 検出限界 (Detection limit)
O. 定量限界 (Quantitation limit)
P. 直線性 (Linearity)
Q. 範囲 (Range)
R. 測定値の偏り
S. 真の値
T. 測定値の総平均
U. 測定値
V. 互いに一致する
W. 繰り返し条件
X. Repeatability/Intra-assay precision
Y. Intermediate precision
Z. Reproducibility
a. 分散、標準偏差または相対標準偏差
b. 試料中に共存する
c. 夾雑
d. 正確に測定する
e. 識別能力
f. 別の試験法
g. 検出
h. 定量
i. 消費者
j. 第二種
k. 合格
l. 生産者
m. 第一種
n. 不合格
o. 5%
p. 相対標準偏差
q. 10%
r. 量(または濃度)
s. 数式により変換
t. 回帰式および相関係数
u. 5種類
v. 下限と上限
w. 規格値
x. 20%
y. 上限値、下限値および中央付近の値
z. 頑健性 (Robustness)

では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第100回薬剤師国家試験|必須問題 / 問4 Q. 分析法バリデーションにおいて、分析法で得られる測定値の偏りの程度を示すパラメータはどれか。
選択肢
1. 真度
2. 精度
3. 特異性
4. 直線性
5. 検出限界
(論点:分析法バリデーション)

第97回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問96 Q. 医薬品分析法のバリデーションに関する記述のうち、正しいのはどれか。
選択肢
1. 「真度」とは、均質な検体から採取した複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度のことである。
2. 「特異性」とは、試料中に共存すると考えられる物質の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力のことである。
3. 「検出限界」とは、試料中に含まれる分析対象物の定量が可能な低の量又は濃度のことである。
4. 「直線性」とは、分析対象物の量又は濃度に対して直線関係にある測定値を与える分析法の能力のことである。
(論点:分析法バリデーション)

楽しく!驚くほど効率的に。
まずは、薬剤師国家試験 必須問題で、キックオフ!走りだそう。きっと、いいことあると思う。
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以上。BLNtより。


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