2019/10/03 17:01

こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。前回に引き続き、薬剤師国家試験問題ではない論点解説番外編をお届けします。論点は、衛生 / 疫学研究から、放射線の健康影響です。今回の「松廼屋|論点解説」では、トリチウムの人体への影響および環境中のトリチウムについて、部位別のがんの死亡率に関する都道府県別のデータを例に、実際のデータに基づく独自の解析結果と視覚化したグラフを使って解説します。


部位別のがん死亡率のリスク比 ※独自に集計・作図
Fukui Prefecture's relative risk to other prefectures regarding age-adjusted mortality by cancer site and prefecture (1995-2017)


松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート番外編 【衛生 / 疫学研究】論点:放射線 / トリチウム

データで見るトリチウム(H-3)の健康影響|局所的に放出されたトリチウム

 - 発生部位別がん死亡率を例として -

松廼屋 Mats.theBASE BLOG https://matsunoya.thebase.in/blog

目次|

|はじめに
|データで見るトリチウム(H-3)の健康影響
 1|それぞれの指標の意味
 2|部位別がん死亡率 / 他県を対照とした相対危険度
 3|部位別がん死亡率 / 他県を対照とした寄与危険度
 4|福井県の部位別がん死亡率に想定される要因

|はじめに

原子力発電施設から、気圏または水圏に放出されたトリチウム(H-3)に起因する大気中トリチウム水蒸気の放射活性濃度レベルでの被ばくが、福井県、および、周辺地域、ならびに、他県において、健康に影響する可能性を、発生部位別がん死亡率を例として、部位別75歳未満年齢調整死亡率の都道府県別の年次推移(1995年~2017年)から、読み解きます。なお、トリチウムの人体への影響およびトリチウムの環境中での挙動に関する基礎知識および最新の環境中トリチウムの動向は、前回の論点解説 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/09/26/200000 で学んでおくと、下述する「データで見るトリチウム(H-3)の健康影響」について、各自で考察をするときに役立ちます。 

解析に用いたデータソース|

この論点解説で用いた視覚化したデータは、下記のホームページからエクセルファイルをダウンロードして、独自にデータベース化し解析および作図したものです。
(この解説で使用した解析結果や図表について、電子データでの入手等をご希望される場合は、デジタルデータダウンロード商品としてご購入していただく方法があります。CONTACT https://thebase.in/inquiry/matsunoya からお問い合わせください。)
引用文献
文献1. 部位別75歳未満年齢調整死亡率(1995年~2017年)
国立がん研究センターがん情報サービス https://ganjoho.jp/public/index.html
がんに関する統計データのダウンロード|6. 都道府県別死亡データ https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html 部位別75歳未満年齢調整死亡率(1995年~2017年)
文献2. 大気中のトリチウム放射活性濃度(1977~2018)

解説で下記の参考資料を引用します。

疫学研究の用語に関する参考資料|

文献3. CORE Journal循環器online|EBM用語集 http://www.lifescience.co.jp/core_j_circ/glossary/index.php
文献4. 日本疫学会HP>疫学用語の基礎知識 目次
寄与危険と寄与危険割合 http://glossary.jeaweb.jp/glossary018.html

その他、解説に引用する参考資料|

文献5. 原子力百科事典ATOMICA https://atomica.jaea.go.jp/
文献5-1. 放射線影響と放射線防護>放射線による生物影響>生物効果の基礎原理>トリチウムの生物影響(09-02-02-20|更新日2000年03月) https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_09-02-02-20.html
文献5-2. 放射線影響と放射線防護>環境中の放射能>環境中での移行と挙動>トリチウムの環境中での挙動(09-01-03-08|更新日2004年08月) https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_09-01-03-08.html

解析方法と目的|

この論点解説では、福井県要因暴露群として、他の各都道府県を対照(要因非暴露群を想定します。)としています。コホート研究の指標である相対危険度(RR)および寄与危険度(AR)を視覚化することによって、部位別のがん死亡率の経年的な動向から、要因(ここでは、大気中または飲料水中のトリチウム水を原因とした内部被ばくを想定します。)を持つ者が、がんによって死亡する可能性を究明し、かつ要因と部位別のがん死亡率の因果関係の推定を探索的に行うことを目的とします。

疫学研究は難しい? わからない?


いいえ、基礎がわかれば、データを見て実際に起こっていることを知ったり、自分なりに考察したり、友達や家族と一緒にデータを見て思ったことを話題にすることはできるのです。この機会に、一緒に、トリチウムが原子力発電施設から放出された場合のトリチウムの健康影響に関しての考察の一歩を踏み出してみましょう。

そして、ここに掲載した全データから、薬学生の皆さんは、自分たちが目指す「命と向き合う」仕事とは何なのか、物理・放射線・衛生・健康・疫学研究に関する総合的な教育を受けた薬剤師の役割や研究開発に携わる科学者の役割とは何なのかについて、考えてみるとよいと思います。今、自分はどうあるべきか、何を学ぶことが、何をすることが、大切なのかを考えるきっかけの時間の一つにしてください。

|データで見るトリチウム(H-3)の健康影響

1|それぞれの指標の意味
疫学研究の観察研究のひとつであるコホート研究(要因対照研究)は、コホート(それぞれの共通する要因を持つ人たちの集団)がある転帰(アウトカム / 例:膀胱がんで死亡)を示すか追跡する研究です。コホート研究の指標として、罹患率(または、死亡率)、相対危険度(relative risk, risk ratio, RR|疫学の要因分析で重要な指標)、寄与危険度(attributable risk, AR|公衆衛生対策で重要な指標)および寄与危険割合(percent attributable risk, PAR)があります。RRはリスク比、ARはリスク差、PARは要因が真にリスク(罹患)に影響した患者の割合です。

RRは、要因暴露群の罹患リスク(=罹患率 または死亡率)の、非要因暴露群の罹患リスクに対する比(リスク比|式1)で示されます。RRにより、要因が疾病に関連するかの推察が可能になります。つまり、要因曝露した場合、要因に曝露しなかった場合に比べて、何倍疾病に罹りやすくなるか(死亡率の場合は、何倍死亡するか)という、要因曝露と疾病罹患との関連(相対危険)の強さを示します。

相対危険度(RR)=〔A /(A+B)〕÷〔C /(C+D)〕 …(式1)


一方、ARは、要因曝露群の罹患リスクと非要因曝露群の罹患リスクとの差(リスク差|式2)で示されます。ARを算出することにより、集団が要因を予防することによって(疾病に罹患する人数が減少する)効果が期待される疾病があるか、予防効果の推測が可能になります。つまり、要因曝露によって罹患リスク(=死亡率|例えば、人口100,000人当たりの死亡者数)がどれだけ増えたか、要因に曝露されなければ罹患リスク(=死亡率|例えば、人口100,000人当たりの死亡者数)がどれだけ減少するか、要因が集団に与える影響(寄与危険)の大きさを示します。

寄与危険度(AR)=〔A /(A+B)〕-〔C /(C+D)〕 …(式2)

2|部位別がん死亡率 / 他県を対照とした相対危険度
部位別がんの死亡率をエンドポイントとした相対危険度(RR) は、この解説ではトリチウム水が疾病による死亡に関連するかの推察、つまり、要因(トリチウム水)に曝露(内部被ばく / 経路:経口、経肺、経皮)した場合、要因に曝露しなかった場合に比べて、何倍疾病(部位別のがん)で死亡するかという、要因曝露と疾病による死亡との関連(相対危険)の強さを示します。

がんの部位別年齢調整死亡率 / 相対危険度(1995 - 2017)
暴露群|福井県、対照|長野県、沖縄県、岡山県、香川県、熊本県、三重県、山梨県、滋賀県、山形県、群馬県、大分県

部位別のがん死亡率のリスク比 ※独自に集計・作図

ポイント|
凡例は、上からRRの1995年から2017年の値の平均値が高かった順番です。また、対照とした都道府県は、左から順番にRRの1995年から2017年の値の平均値が高かった順番に並んでいます。11の他県を対照とした各部位のがんの死亡率のRRは、全体として1を超えた年が観察されました。特に、香川県を対照とした1999年の膀胱の悪性新生物に関しては、RRは2.9を示しました。これは、膀胱の悪性新生物に関して、福井県において香川県と比較して3倍の死亡率であったこと、つまり、福井県に要因曝露があって香川県に要因曝露がなかったとした場合、要因が死亡率と関連が強い可能性を示唆します。膀胱の悪性新生物に関しては、RRが1よりも高く2付近を示した長野県を対照とした2001 (2.02)、沖縄県を対照とした2003 (2.68)、三重県を対照とした2002年 (1.68)、山形県を対照とした 2001 (1.96) 、2005 (2.24)、その他、岡山県、滋賀県、群馬県、大分県などのすべての都道府県を対照として1を超えたRRが観察されました。時系列の前後による因果関係は必ずしも明らかではありませんが、福井を要因暴露群とし、他県を要因非暴露群としたとき、膀胱の悪性新生物による死亡が要因曝露と関連が強い、また、因果関係があった可能性が、探索的には推察されます。

さらに、悪性リンパ腫による死亡、および、胆のう・他の胆道のがんによる死亡に関しても同様にRRが1よりも大きく経年的に推移していることから、同様の探索的な考察が可能です。トリチウムのβ線が内部被ばくしたときのトリチウムの吸収・分布・代謝・排泄という体内運命に関する体内動態の経路は、トリチウム水が物理的に水と同様の挙動を示すことから、体内での水の吸収・分布・代謝・排泄と内部被ばくの程度は関連すると考えられます。臓器としては胃から大腸で吸収される際に内部被ばくした後、血液に分布し、血液と接する肝臓や脾臓などの組織細胞内液に分布し細胞内の核などに至近距離からβ線が照射されます。また、血液から各臓器の細胞を経て、最終的に排泄機構である胆管または膀胱に移動する経路があって、これらの臓器は恒常的に至近距離からβ線を照射されます。つまり、トリチウムの内部被ばくによって、水を吸収する胃腸などの消化管臓器および吸収後の血液中や細胞の水分の排泄機構である肝臓、胆管、膀胱は最も恒常的に被ばくすることが推察されます。また、一方、トリチウムのβ線被ばくの毒性に関しては、幹細胞の増殖抑制、汎血球減少症白血病などのがんが動物および人において認められています。ですから、これらの毒性に基づくがんの発生と死亡は可能性として想定されます。以上の視点から、部位別のがん死亡率のRRが1より大きかった場合、トリチウムの内部被ばくとがんによる死亡との因果関係があった可能性は、トリチウムによるβ線の内部被ばくによる発がんのメカニズムと矛盾しないと考えられます。なお、全部位での死亡率(平均)に関しては、RRは1付近で年次推移し、全部位としてデータを見れば要因曝露の影響の可能性は否定されます。要因曝露と死亡との時系列による因果関係を想定する場合、全部位での死亡率の結果を説明することは重要です。しかしながら、経年的にみた部位別のがんによる死亡率のRRが一定の傾向をもって対照に対して変動する場合は、要因曝露の有無と死亡との関連の強さ、さらには要因と死亡との因果関係が推定されます。

部位別|がんの死亡率に関する相対危険度(1995 - 2017)
全部位 ※リスク比の年次推移に変動がなく、リスク比は1。(死亡率は他県と同様で、要因曝露の影響は観察されなかった。)

気管、気管支および肺 ※2006年にリスク比の年次推移に変動(リスク比減少)があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。

食道 ※リスク比の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

 ※リスク比の年次推移に変動(リスク比減少)がないが、沖縄県、熊本県を対照とした場合にリスク比の増加が認められた。

直腸S状結腸移行部 ※リスク比の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

大腸 ※リスク比の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

結腸 ※リスク比の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

肝および肝内胆管 ※リスク比の年次推移に変動があったが、対照によって異なる変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)




胆のうおよび他の胆道 ※リスク比の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

膀胱の悪性新生物 ※リスク比の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

 ※リスク比の年次推移に変動があり、沖縄県を除く全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

白血病 ※リスク比の年次推移に変動があり、一部の対照に対して顕著に同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)




悪性リンパ腫 ※リスク比の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)




部位別のがん死亡率のリスク比 ※独自に集計・作図

3|部位別がん死亡率 / 他県を対照とした寄与危険度
部位別がんの死亡率をエンドポイントとした寄与危険度(AR) は、この解説ではトリチウム水が疾病による死亡に関連するかの推察、つまり、要因(トリチウム水)に曝露(内部被ばく / 経路:経口、経肺、経皮)した場合、要因に曝露しなかった場合に比べて、何人が疾病(部位別のがん)で死亡するかという、要因に曝露されなければ罹患リスク(=死亡率|例えば、人口100,000人当たりの死亡者数)がどれだけ減少するか、要因が集団に与える影響(寄与危険)の大きさを示します。

がんの部位別年齢調整死亡率 / 寄与危険度(1995 - 2017)暴露群|福井県
対照|他都道府県(上位24都道府県で表示)※部位別累積・正の値のみで表示


対照|他都道府県(寄与危険度 / 上位13都道府県で表示)※部位別累積・正の値のみで表示

部位別のがん死亡率のリスク差 ※独自に集計・作図

ポイント|
部位別のがんの死亡率の寄与危険度(AR)を累積して年次推移で示しました。ARは、要因に曝露しなかった場合に比べて、何人がその疾病(部位別のがん)で死亡するかを表します。上記の図において、沖縄県を対照とした場合、1999年に、ARが正の値のがんを累積すると100,000人当たり20人でした。また、沖縄県で顕著ですが、ARが正の値のがんのARを累積した値は、2017年にかけて全体的には経年的に減少傾向を示しました。長野県、熊本県、および沖縄県を対照とした場合、がんの部位の中でも、肝および肝内胆管のがん、気管、気管支および肺、胃などに関するARの経年的な減少傾向が顕著にみられました。すべての都道府県を対照としたそれぞれの部位別のがんによる死亡率のARの年次推移の傾向は、部位によって異なりましたが、ほとんどの場合、対照とした都道府県によらず同様の変動や増加傾向又は減少傾向を示したため、福井県とそれぞれの他の都道府県の違いに起因する要因曝露による、それぞれの部位別のがんによる死亡への影響が示唆されました。

がんの部位別年齢調整死亡率 / 寄与危険度(1995 - 2017)暴露群|福井県
対照|長野県

対照|熊本県

対照|沖縄県

暴露群|福井県、対照|長野、熊本、沖縄県

対照|大分県

対照|岡山県

対照|滋賀県

対照|香川県

対照|山梨県

対照|鹿児島

対照|新潟県

部位別のがん死亡率のリスク差、対照|長野、熊本、沖縄県 ※独自に集計・作図

がんの部位別年齢調整死亡率 / 寄与危険度(1995 - 2017)暴露群|福井県 対照|他都道府県(全都道府県別で表示)
全部位

気管、気管支および肺 ※2006年にリスク差の年次推移に変動(リスク差減少)があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。

食道 ※リスク差の年次推移に増加傾向があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

 ※リスク差の年次推移に変動(増加傾向)、ただし、沖縄県、熊本県を対照とした場合にリスク差の減少が認められた。

直腸S状結腸移行部 ※リスク差の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

大腸 ※リスク差の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

結腸 ※リスク差の年次推移に変動があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

肝および肝内胆管 ※リスク差の年次推移が0に向かって推移し、対照によって増加または減少を示した。(要因曝露の減少が示唆された。)




胆のうおよび他の胆道 ※リスク差の年次推移に変動と減少傾向があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の減少が示唆された。)

膀胱の悪性新生物 ※リスク差の年次推移に変動と増加があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

 ※リスク差の年次推移に変動があり、沖縄県を除く全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)

白血病 ※リスク差の年次推移に変動と増加があり、一部の対照に対して顕著に同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。)




悪性リンパ腫 ※リスク差の年次推移に変動と減少があり、全ての対照に対して同様の変動を示した。(要因曝露の影響が示唆された。) 



部位別のがん死亡率のリスク差 ※独自に集計・作図

4|福井県の部位別がん死亡率に想定される要因
想定する要因は以下のデータに基づくトリチウム水のβ線の内部被ばくです。一方で、上記の疫学研究の疫学解析指標に関しては、観察研究という性質上、他の要因が介在する可能性があることおよび交絡因子が存在する場合があります。しかしながら、高浜町の大気中水分におけるトリチウムの放射活性濃度である1998年の31Bq/Lおよび2007年の52Bq/Lという放射能濃度は、核実験の影響を受けていた1970年代の河川水の10Bq/Lの3倍から5倍という高濃度であり、日本だけではなく世界で人類が経験したことがない公衆衛生上の問題が発生していたことは明らかです。周辺地域の住民への健康影響は懸念されます。

データで見るトリチウム(H-3)の健康影響を今回解説しました。薬学生の皆さんをはじめ、このサイト https://matsunoya.thebase.in/ を訪れていただいた皆さんは、これを読んでどう思われましたか。生活環境における放射性物質の取り扱いなど、データに基づいて関心を持つ機会になさっていただければと思います。

仮定される要因|大気中トリチウム水蒸気の年次推移(福井県)
水分当たり(mBq/L)|高浜町
(1993-2018) 
(1980-1998) 
水分当たり(mBq/L)|福井県 / 試料採取地点別 
大気中のトリチウムの年次推移(1977年 – 2018年|福井県)※独自に集計・作図(データの出典:文献3)最大値で集計

原子力施設から大気圏または水圏に放出されたトリチウムは、他の放射性核種と同様に大気や水の流れに従って移行および拡散をします。大気中へ放出されたトリチウムに特徴的な環境中移行は、大気から土壌への沈着、土壌から大気への再放出、土壌中移行、植物への取り込み等です。これらの移行・拡散は比較的速いです。環境中でのトリチウムの放出点から人体への移行経路などの詳細は、下記の論点解説を参考としてください。
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート番外編 【衛生 / 物理】論点:放射線 / トリチウム https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/09/26/200000
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更新日:2019.10.01 制作:滝沢幸穂(Yukiho.Takizawa)phD ■Facebook プロフィール https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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