1. 健康教室

2. 予防接種

3. 集団検診

4. 在宅機能訓練

5. 職場環境の改善

（論点：健康日本21 / 疾病の予防）

こんにちは！薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の衛生から、健康日本21 / 疾病の予防、1次予防、2次予防、3次予防を論点とした問題です。第97回薬剤師国家試験【衛生】必須問題の問18（問97-18｜論点：健康日本21 / 疾病の予防）では、疾病の2次予防に該当する事象を問われました。1次予防、2次予防、3次予防の分類の理解と、実際の臨床の現場における疾病の予防に関するそれぞれの事象が、どの分類に該当するか理解を求める設問です。選択肢から正答を選ぶ選択問題の必須問題でした。

論点解説を無料で体験していただけます。問97-18（論点：健康日本21 / 疾病の予防）を解説します。苦手意識がある人も、この機会に、健康日本21 / 疾病の予防を一緒に完全攻略しましょう！ BLOGで、問97-18の論点解説をお届けします。

2019/05/21 12:45 公開 https://matsunoya.thebase.in/blog/2019/05/21/120045

　2-1｜1次予防

　2-2｜2次予防

　2-3｜3次予防

健康日本21について、解説します。厚生労働省のホームページ（HP）｜健康日本21（第二次） https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html 普及啓発用資料 / 健康日本21（第二次）参考資料スライド集PPT形式（3,419KB）によれば、厚生労働省の健康づくり対策として、2000（平成12）年、第3次国民健康づくり対策、21世紀における国民健康づくり運動（健康日本21）が開始されました。その後、第4次国民健康づくり対策、健康日本21（第2次）が通知され、2013（平成25）年4月1日、10年後に目指す姿が示されて現在に至っています。健康日本21（第2次）の期間は、2022（平成34＝令和5）年までの10年間とされています。平成24年7月10日厚生労働大臣告示によって、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針が示されました。その基本方針は、「21世紀の我が国において少子高齢化や疾病構造の変化が進む中で、生活習慣及び社会環境の改善を通じて、子どもから高齢者まで全ての国民が共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、ライフステージ（乳幼児期、青壮年期、高齢期等の人の生涯における各段階）に応じて、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し、その結果、社会保障制度が持続可能なものとなるよう、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な事項を示し、平成25年度から平成34年度までの『二十一世紀における第二次国民健康づくり運動（健康日本21（第二次））」を推進する。」というものです。

平成27年7月10日健発0710第1号厚生労働省健康局長通知 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_03.pdf によれば、健康日本21（第2次）の国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向として、健康寿命の延伸と健康格差の縮小、生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底（NCD（非感染性疾患）の予防）などがあげられています。その中で、がん、循環器疾患、糖尿病及びCOPD（慢性閉塞性肺疾患）に対処するため、一次予防に重点を置いた対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点を置いた対策を推進する、とされています。

疾病の予防（1次予防、2次予防、3次予防）について、解説します。疾病の予防の概念は、健康日本21｜健康日本21(総論)第3章 基本戦略 http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/souron/index.html 第2節 対象集団への働きかけ の項に出ていますので、上記、ホームページを引用して解説します。疾病の自然史に基づく疾病の予防には、三つの段階（1次予防、2次予防、3次予防）があります。最初に、設問の選択肢が、それぞれどの分類に相当するのか、示します。そのあと、それぞれの分類（1次予防、2次予防、3次予防）各論に入ります。

解説します。1次予防は、疾病原因をもとから絶つことです。1次予防には、第一に、健康増進（Health Promotion）があります。これには、運動・栄養、喫煙・飲酒対策が含まれます。また、第二に、環境における危険因子の削減を目指す健康保護（Health Protection）があり、これには、職場の安全・健康、環境保健が含まれます。さらに、第三に、疾病発生予防を目指す疾病予防（Disease Prevention）があり、これには、感染症予防、母子保健、循環器疾患予防などのNCD（非感染性疾患 / がん、循環器疾患、糖尿病及びCOPD（慢性閉塞性肺疾患）など）の予防があげられています。健康の決定要因はそれぞれお互いに影響しあっているため、1次予防の三つの要素を純粋に分割することは難しいと考えられます。まとめます。

まとめ｜1次予防 / 疾病原因をもとから絶つ

Health Promotion（健康増進）｜運動・栄養、喫煙・飲酒対策

Health　Protection（健康保護）｜環境危険因子の削減 / 職場の安全・健康、環境保健

Disease Prevention（疾病予防）｜病気の発生予防 / 感染症予防・母子保健、非感染性疾患予防

解説します。2次予防は、疾病の早期発見と早期治療です。2次予防には疾病発見（Case Finding）とリスク発見(Risk Finding)があります。前者では多数の対象者の中から少数の異常者を発見するため、効率と精度管理が重要であり、後者では、発見した対象のリスクを低減するため、追跡管理システムが重要です。まとめます。

まとめ｜2次予防 / 早期発見・早期治療

Case Finding（疾病発見）｜多数の対象者の中から少数の異常者を発見 / 効率・精度管理が重要

Risk Finding（リスク発見）｜発見したリスクを低減 / 追跡管理システムが重要

解説します。3次予防にはリハビリテーションと社会的不利の予防があります。社会的不利の予防には、機能障害の防止、合併症・後遺症の予防が含まれます。

まとめ｜3次予防 / リハビリテーション・社会的不利の予防

社会的不利の予防｜機能障害の防止、合併症・後遺症の予防

疾病の予防における1次予防は、【A】をもとから絶つことである。

1次予防には、健康【B】、健康【C】および疾病【D】が含まれる。

健康【B】には、【E】、【F】対策が含まれる。

健康【C】には、職場の【G】、環境【H】の削減が含まれる。

疾病【D】には、病気の【I】、【J】予防・【K】保健、【L】疾患予防が含まれる。

A.  病気の原因

B.  増進

C.  保護

D.  予防

E.  運動・栄養

F.  喫煙・飲酒

G.  安全・健康

H.  危険因子

I.  発生予防

J.  感染症

K.  母子

L.  循環器

疾病の予防における2次予防は、【M】、【N】である。

2次予防には、【O】発見および【P】発見が含まれる。

【O】発見では、多数の対象者の中から【Q】を発見する際の【R】が重要であり、【P】発見では、発見した【P】を【S】するための【T】システムが重要である。

M. 早期発見

N. 早期治療

O. 疾病

P. リスク

Q. 少数の異常者

R. 効率・精度管理

S. 低減

T. 追跡管理

疾病の予防における3次予防は、【U】および【V】の予防を図ることである。

【V】の予防には、【W】の防止、【X】症・【Y】症の予防が含まれる。

U. リハビリテーション

V. 社会的不利

W. 機能障害

X. 合併

Y. 後遺

第97回薬剤師国家試験｜必須問題 / 問18 Q. 疾病の二次予防に該当するのはどれか。

1. 健康教室

2. 予防接種

3. 集団検診

4. 在宅機能訓練

5. 職場環境の改善

（論点：健康日本21 / 疾病の予防）