2018/11/13 17:30
第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問129 Q. 食道がんのリスク上昇との関連性が示されているのはどれか。
選択肢
1. 塩・塩蔵品の過剰摂取
2. 過度の飲酒
3. 熱い飲食物の摂取
4. 動物性脂肪に富む食事の摂取
5. 運動不足
(論点:がん 発生要因)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問102-129【衛生】論点:がん 発生要因
こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の衛生からがんの発生要因を論点とした問題です。第102回薬剤師国家試験の問129(問102-129)は、食道がんのリスク上昇との関連性が示されているがんの発生要因の理解を問われました。
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がんの発生要因に関する最新の詳細な参考資料としては、国立がん研究センターのホームページ(HP)「国立がん研究センター|科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 https://epi.ncc.go.jp/can_prev/index.html 」に掲載されたPDF「研究班によるパンフレット2017年版(第4版)」WEB版 https://epi.ncc.go.jp/files/11_publications/Can_prev_pamphlet_4w.pdf に科学的かつ目的に合った情報が記載されていますので、一読することをお勧めします。また、PDF「科学的根拠に基づくがん予防(A5小冊子)」 https://epi.ncc.go.jp/files/11_publications/Can_prev_A5booklet.pdf にも情報がわかり易く整理してありました。詳細は、上記、国立がん研究センターのHP「国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ(トップページ https://epi.ncc.go.jp/index.html )と報告書(PDF)」をご参照ください。上記、研究班によるパンフレット2017年版(第4版)から、これまでに行われた「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価」の一覧を一部抜粋して図1に示しました。
図1 科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価の一覧(抜粋) 出典:国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ( https://epi.ncc.go.jp/index.html )
「研究班によるパンフレット2017年版(第4版)」WEB版 https://epi.ncc.go.jp/files/11_publications/Can_prev_pamphlet_4w.pdf
上記の国立がん研究センターによるエビデンス評価、そして、統合解析の目的のために、あらかじめ定めた共通のルールにのっとって現行のコホート研究を解析するプール解析の結果から引用して、食道がんのリスク上昇との関連性が示されているがんの発生要因を中心に解説します。上記、PDF「科学的根拠に基づくがん予防(A5小冊子)」によれば、男性のがんの約半分、女性のがんの約3割は、努力次第で発がん率を低下させることが可能です。研究から、日本人のがん予防にとって重要な6つの要因として、「禁煙」、「節酒」、「食生活」、「身体活動」、「適正体重の維持」および「感染予防」があげられました。
上記、参考資料では、「禁煙」、「節酒」、「食生活」、「身体活動」、「適正体重の維持」を5つの健康習慣と位置づけ、これらの5つの健康習慣に気を付けて生活している人とそうでない人を比較して、5つの健康習慣を実践する人は、0または1つ実践していた人と比較して、 がんになるリスクが、男性で43%、女性で37%低かったという推計を示しています。
食道がんについては、エビデンスに基づき、リスクを確実に増加させる要因として、喫煙および適量を超えた飲酒があげられ、他方、リスクをほぼ確実に増加させる要因として、野菜・果物不足および飲み物・食べ物を熱いまま摂取することがあげられています。
さらに、要因からみた場合、喫煙に着目すると、喫煙によって、リスクが確実に増加するがんとして、全がん、食道がん、肺がん、胃がん、膵がん、子宮頸がん、肝がん、頭頸部がん、膀胱がん、また、喫煙によって、リスク増加の可能性があるがんとして、大腸がん、乳がんがあげられています。さらに、受動喫煙に着目すると、リスクがほぼ確実に増加するがんとして、肺がんがあげられています。
薬剤師国家試験対策としては、その他の要因に関しても、どのがんのリスク要因となるかを、上記の最新の科学的根拠に基づく参考資料等から学んでおくとよいです。図2に、国立がん研究センターHPのPDF「科学的根拠に基づくがん予防(A5小冊子)」から、5つの習慣の中で、食道がんの予防に関連する健康習慣および食道がんのリスクを上昇する要因を抜粋して示しました。
食道がんを予防する健康習慣|禁煙
食道がんを予防する健康習慣|節酒
食道がんを予防する健康習慣|野菜・果物を摂取する
食道がんを予防する健康習慣|熱い飲み物・食べ物は冷ましてから
図2 食道がんを予防する健康習慣と食道がんのリスクを上昇する要因(抜粋)出典:国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ( https://epi.ncc.go.jp/index.html )PDF「科学的根拠に基づくがん予防(A5小冊子)」 https://epi.ncc.go.jp/files/11_publications/Can_prev_A5booklet.pdf
参考資料|
国立がん研究センターのHP「国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ(トップページ https://epi.ncc.go.jp/index.html )
科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 https://epi.ncc.go.jp/can_prev/index.html
PDF「研究班によるパンフレット2017年版(第4版)」WEB版 https://epi.ncc.go.jp/files/11_publications/Can_prev_pamphlet_4w.pdf
PDF「科学的根拠に基づくがん予防(A5小冊子)」 https://epi.ncc.go.jp/files/11_publications/Can_prev_A5booklet.pdf
YouTube|※論点解説動画で予習・復習ができます。
走る!「衛生」Twitter Ver. がん 発生要因/第102回-問129|薬剤師国家試験対策ノート
ポイント|
【A】にとって重要な6つの要因として、【B】および【C】があげられる。【B】は【D】と位置づけられ、これら【D】を実践する人は、0または1つ実践していた人と比較して、男性で【E】、女性で【F】、がんになるリスクが低いと推計された。
【G】については、リスクを確実に増加させる要因として、【H】および【I】があげられ、他方、リスクをほぼ確実に増加させる要因として、【J】および飲み物・食べ物を【K】することがあげられた。
A. 日本人のがん予防
B. 「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」
C. 「感染予防」
D. 5つの健康習慣
E. 43%
F. 37%
G. 食道がん
H. 喫煙
I. 適量を超えた飲酒
J. 野菜・果物不足
K. 熱いまま摂取
では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
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以上。BLNtより。
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