2018/10/18 15:00

第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問125 Q. 表は、我が国における1995年と2015年の年齢三区分別人口構成割合及び2035年における予測値を示したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。

選択肢
1. 年少人口割合と老年人口割合の和は、従属人口割合となる。
2. この表から求められる老年人口割合の倍化年数は、20年より短い。
3. 1995年から2015年にかけて、老年化指数は2倍以上上昇している。
4. 2015年における老年人口指数は50を上回る。
5. 2035年に予測される年少人口指数は15を下回る。
(論点:人口動態)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-125【衛生】論点:人口動態 年齢 3 区分別人口構成割合、人口構成の指標 / 老年化指数、老年人口指数、年少人口指数

 こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。解説します。薬剤師国家試験の衛生から人口動態を論点とした問題です。第103回薬剤師国家試験問125(問103-125)は、人口動態統計における年齢三区分別人口構成の指標の理解を問われました。類題に、下記の過去問題があります。
第 97回薬剤師国家試験|必須問題 / 問17|死因
第 98回薬剤師国家試験|必須問題 / 問18|死産
第 99回薬剤師国家試験|必須問題 / 問18|死亡率
第 99回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問126|人口の推移
第100回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124|出生率・死亡率
第100回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問125|平均寿命
第101回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問126|合計特殊出生率
第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問124|粗死亡率、老年人口割合、死亡数、年齢調整死亡率
(今回の論点解説|第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問125|年齢 3 区分別人口構成割合、人口構成の指標 / 老年化指数、老年人口指数、年少人口指数)
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人口動態に関する最新の詳細な参考資料としては、厚生労働省のホームページ(HP)「厚生労働省|平成30年度 我が国の人口動態|平成28年までの動向 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html 我が国の人口動態>PDF https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf 」に科学的かつ目的に合った情報が記載されていますので、一読することをお勧めします。情報がわかり易く整理してありました。詳細は、上記、厚生労働省HPと報告書(PDF)をご参照ください。設問の図をもう一度確認しましょう。
 
※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問125)より
出典:厚生労働省|第103回薬剤師国家試験 問125

問102-125は、選択肢ごとにテーマ(年齢 3 区分別人口構成割合、人口構成の指標 / 老年化指数、老年人口指数、年少人口指数)が異なるので、別々に解説します。

選択肢1. 論点:年齢 3 区分別人口構成割合
Q. 1. 年少人口割合と老年人口割合の和は、従属人口割合となる。A.【正|誤】|


第103回薬剤師国家試験問125選択肢1(問103-125-1)は、従属人口の定義をテーマとした記述の正誤問題でした。厚生労働省のホームページ(HP)「厚生労働省|厚生労働統計に用いる主な比率及び用語の解説 https://www.mhlw.go.jp/toukei/kaisetu/index-hw.html 」に、人口構造および人口動態に用いる比率・用語の式がまとまっています。上記HPをお気に入りに登録して、必要になった統計の比率や用語は、書き取っておくとよいです。上記、厚生労働省HPによれば、年少人口は、0 - 14歳、生産年齢人口は、15 - 64歳、老年人口は、65歳以上です。選択肢1の記述にある従属人口は、生産年齢人口以外の人口を意味して、年少人口と老年人口の和で表されます。

厚生労働省の報告書( https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf )から、年齢 3 区分別人口割合の年次推移 -昭和22~平成28年-を抜粋して、図1に示しました。図1の年齢 3 区分別人口構成割合から、全ての人口割合の合計は100%で表され、従属人口割合は、生産年齢人口を除く人口の割合ですから、年少人口割合と老年人口割合の和であることを確認しましょう。厚生労働省の報告書によれば、総人口の年齢3区分別人口割合の年次推移をみると、第2次ベビーブーム期以降の出生数の減少傾向と死亡状況の改善による高年齢層の増加から、0〜14歳の年少人口割合は減少傾向を示し、65歳以上の老年人口割合は増加傾向を示しています。平成9年(1997年)には老年人口が年少人口を上回り、平成28年(2016年)の年齢 3 区分別人口割合は年少人口割合12.4%、老年人口割合27.3%となりました。また、15〜64歳の生産年齢人口割合は平成4年(1992年)をピークに減少しています。

図1 年齢 3 区分別人口割合の年次推移 -昭和22~平成28年- ※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問125)より 出典:厚生労働省|平成30年度 我が国の人口動態|平成28年までの動向 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html 我が国の人口動態>PDF https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf

選択肢2. 論点:年齢 3 区分別人口構成割合
Q. 2. この表から求められる老年人口割合の倍化年数は、20年より短い。A.【正|誤】|


第103回薬剤師国家試験問125選択肢1(問103-125-1)は、老年人口割合をテーマとした記述の正誤問題でした。問103-125表から老年人口割合を読み取ると、1995年 - 2015年の20年間での増加は、15 (%)から 27 (%)であり、12  (%)の増加がありました。このことから、人口割合の増加としては、1.8倍の増加があったといえます。倍化とは、2倍になることを意味するので、1.8倍<2.0倍から、直近では倍化年数は20年以上であると推察されます。

選択肢3-5. 論点:人口構成の指標 / 老年化指数、老年人口指数、年少人口指数
Q. 3. 1995年から2015年にかけて、老年化指数は2倍以上上昇している。
Q. 4. 2015年における老年人口指数は50を上回る。
Q. 5. 2035年に予測される年少人口指数は15を下回る。
A.【正|誤】|


選択肢3、4、5(問103-125-3、問103-125-4、問103-125-5)は、厚生労働統計に用いる主な比率及び用語から人口構成の指標である老年化指数、老年人口指数、年少人口指数の算出をテーマとした記述の正誤問題でした。テクニカルタームを定義する式を覚えていて、有効数字2桁の割り算ができれば解くことができます。人口構成を表す指標は4つあります。それぞれ、年少人口、老年人口、および従属人口(=年少人口+老年人口)の生産年齢人口に対する比に100を乗じた年少人口指数老年人口指数従属人口指数、そして、老年人口の年少人口に対する比に100を乗じた老年化指数です。厚生労働省のホームページ(HP)「厚生労働省|厚生労働統計に用いる主な比率及び用語の解説 https://www.mhlw.go.jp/toukei/kaisetu/index-hw.html 」によれば、下記の式が成り立ちます。

老年化指数 =老年人口 / 年少人口×100 …(式1)
老年人口指数=老年人口 / 生産年齢人口×100 …(式2)
年少人口指数=年少人口 / 生産年齢人口×100 …(式3)
従属人口指数=(年少人口+老年人口)/ 生産年齢人口×100 …(式4)
ただし、老年人口:65歳以上の人口、生産年齢人口:15 - 64歳の人口、年少人口:0 - 14歳

指数は比なので、人口から算出しても人口割合から計算しても同じ数値になりますから、人口割合で代替して計算ができます。1995年の老年化指数は、15÷16×100= 94、2015年の老年化指数は、27÷13×100= 210です。210÷94=2.2で、2倍以上上昇していることがわかります。

2015年の老年人口指数は、27÷60×100=45です。50未満です。

2035年の年少人口指数は、10÷57×100=17.5です。15を上回っています。
計算問題を早く正確に解くコツ|
問われている数値の有効数字を確認してから計算してください。問103-125では、選択肢の記述にある数値の有効数字が2桁ですから、それ以上の桁数の数値を算出する必要はありません。掛け算、割り算の場合は、3桁まで計算して四捨五入します。ただし、有効数字1桁で計算してしまうと、正解にたどり着けなくなるので注意しましょう。ここで、焦ってはいけません。2.5分以内で計算してください。または、全体の試験のバランスの中では、計算が多い問題は後回しにして、余った時間帯の中でもう少し時間をかけて解くのも、時間配分の一つの考え方です。健闘を祈ります!

なお、老年人口指数および年齢3区分別人口割合における老年人口割合は、人口高齢化の指標です。上記、厚生労働省の報告書によれば、平成28年の年齢3区分別人口割合を都道府県別にみると、老年人口割合(および、老年人口指数)が最も低いのは沖縄県20.4%(32.6)、次いで東京都 22.9%(34.8)、その他、大都市を有する都道府県とその周辺で低く、一方、老年人口割合が最も高いのは秋田県34.7%(63.1)、次いで高知県33.6%(61.1)となりました。都道府県別の人口高齢化について、老年人口指数と老年人口割合で、ほぼ同様のことがいえました。
YouTube|※論点解説動画で予習・復習ができます。
走る!「衛生」Twitter Ver. 人口動態/第103回-問125|薬剤師国家試験対策ノート


ポイント|
【A】統計において、【B】とは、【C】歳、【D】とは、【E】歳、【F】とは、【G】歳以上の人口である。【H】は、【D】以外の人口を意味し、【B】と【F】の和で表される。年齢 3 区分別人口割合では、全ての人口割合の合計は100%で表され、【H】割合は、【D】を除く人口の割合であり、【B】割合と【F】割合の和である。【I】を表す指標は4つあり、それぞれ、【B】指数、【F】指数、【H】指数は、「【B】」、「【F】」、および「【H】(=【B】+【F】)」の【D】に対する比に100を乗じた指数、そして、【J】指数は、【F】の【B】に対する比に100を乗じた指数である。【F】指数および年齢3区分別【I】割合における【F】割合は、【K】の指標である。

A. 人口動態
B. 年少人口
C. 0 - 14
D. 生産年齢人口
E. 15 - 64
F. 老年人口
G. 65
H. 従属人口
I. 人口構成
J. 老年化
K. 人口高齢化

では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問126 Q. 表は、我が国における1995年と2015年の年齢三区分別人口構成割合及び2035年における予測値を示したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。

選択肢
1. 年少人口割合と老年人口割合の和は、従属人口割合となる。
2. この表から求められる老年人口割合の倍化年数は、20年より短い。
3. 1995年から2015年にかけて、老年化指数は2倍以上上昇している。
4. 2015年における老年人口指数は50を上回る。
5. 2035年に予測される年少人口指数は15を下回る。
(論点:人口動態)
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以上。BLNtより。

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