2017/05/04 19:26
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問101-123【衛生】論点:食品に由来する有害物質 3. トランス脂肪酸
こんにちは! #薬学生 の皆さん。BLNtです。解説します。 #薬剤師国家試験 の #衛生 から #食品に由来する有害物質 を論点とした問題です。
問101-123は、選択肢ごとにテーマ( #アクリルアミド #トリプタミン #トランス脂肪酸 #ニトロソアミン #アフラトキシン )が異なるので、別々に解説します。
問101-123は、選択肢ごとにテーマ( #アクリルアミド #トリプタミン #トランス脂肪酸 #ニトロソアミン #アフラトキシン )が異なるので、別々に解説します。
選択肢3|
トランス脂肪酸について問われました。トランス脂肪酸に関する情報としては、農林水産省HP「トランス脂肪酸の摂取と健康への影響 ( http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/trans_eikyou.html )」がわかり易いです。
詳細は、上記、農林水産省HPを参考にされるとよいと思います。上記、農林水産省HPによれば、「食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合」報告書(2003)の中で、トランス脂肪酸については、心血管疾患(CVD)、特に冠動脈性心疾患(CHD)のリスクを高める確実な証拠があるとされている、との記載があり、一方、「人間栄養における脂肪及び脂肪酸に関するFAO/WHO合同専門家会合」暫定報告書(2010)では、「トランス脂肪酸に関するWHOの最新の科学的知見」に基づいて、水素添加油脂由来のC18:1(炭素数が18で炭素-炭素二重結合が一つ)のトランス脂肪酸について、「虚血性心疾患(CHD)の危険因子や虚血性心疾患の発症を増やす、これまで考えられていたよりも確実な証拠がある」、「メタボリックシンドローム関連因子及び糖尿病のリスクに加えて、致死性CHDや心臓性突然死のリスクを増やす、ほぼ確実な証拠がある」として、トランス脂肪酸の摂取量を反すう動物由来のものと工業由来のものを合わせて総エネルギー摂取量の1%未満とする目標値を設定、との記載があります。
国内の最新の動向としては、食品安全委員会のページ|評価書詳細「食品に含まれるトランス脂肪酸」(http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20120308001 )をチェックすると、理解がより深まると思います。日本人の食事摂取基準(2015年版;2014年3月、厚生労働省)では、脂質に関しては、総脂質と飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸について目標量や目安量の基準を定めていますが、トランス脂肪酸について、目標量の基準は定められていない一方、消費者庁のトランス脂肪酸に関する情報( http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/trans_fatty_acid/ 「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」の概要( http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/trans_fatty_acid/pdf/syokuhin506.pdf )によれば、販売に供する食品の容器包装、ホームページや広告による情報開示を期待とのことです。指針では、トランス脂肪酸の含有量の表示をする場合には、栄養表示基準に定める一般表示事項に加え、飽和脂肪酸及びコレステロールの含有量を表示、と定められています。 ➡選択肢4の解説に続く。。。 BLNtより
さあ、はじめよう。https://www.learning-ware.jp/blnt_pharm
国内の最新の動向としては、食品安全委員会のページ|評価書詳細「食品に含まれるトランス脂肪酸」(http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20120308001 )をチェックすると、理解がより深まると思います。日本人の食事摂取基準(2015年版;2014年3月、厚生労働省)では、脂質に関しては、総脂質と飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸について目標量や目安量の基準を定めていますが、トランス脂肪酸について、目標量の基準は定められていない一方、消費者庁のトランス脂肪酸に関する情報( http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/trans_fatty_acid/ 「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」の概要( http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/trans_fatty_acid/pdf/syokuhin506.pdf )によれば、販売に供する食品の容器包装、ホームページや広告による情報開示を期待とのことです。指針では、トランス脂肪酸の含有量の表示をする場合には、栄養表示基準に定める一般表示事項に加え、飽和脂肪酸及びコレステロールの含有量を表示、と定められています。 ➡選択肢4の解説に続く。。。 BLNtより
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キーワード|
A. マーガリン
B. ショートニング
C. 心血管疾患(CVD)、特に冠動脈性心疾患(CHD)のリスクを高める傾向
D. 期待
ポイント|【A】や【B】などに含まれるトランス脂肪酸は【C】を示すため、販売に供する食品の容器包装、ホームページや広告による情報開示を【D】されている。
では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。
薬剤師国家試験 衛生 薬学理論問題
問101-123 食品に由来する有害物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1. ポテトチップスを製造する際の加熱時に、ジャガイモに多く含まれるアスパラギンが糖と反応してアクリルアミドが生じる。
2. 魚の焼け焦げの部分に含まれるトリプトファン由来の変異原性物質は、トリプタミンである。
3. マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は発がん性を示すため、食品中含量の表示が義務づけられている。
4. 魚に含まれる2級アミンが胃の中で塩酸と反応することにより、ニトロソアミンが生じる。
5. 輸入ピーナッツと同様に、コウジ菌を用いる味噌・醤油についても、食品中のアフラトキシン濃度が重点的に検査されている。
追記|
トランス脂肪酸について最新の科学データに基づく情報は、問101-123の論点解説に示した農林水産省HPのリンクから国際的な動向などにたどり着くことができます。参考になさってください。
ここでは、個人としての見解から追記します。
ここでは、個人としての見解から追記します。
トランス脂肪酸は、一般にシス体の脂肪酸よりも、構造として安定であることは見て取れると思います。バルキーな置換基が離れて配置されているからです。オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は、分類の表記は18:1(n-9)で、炭素数は18、二重結合は1つ、バルキーな置換基が互いに近くに存在するシス体です。オレイン酸は、融点は13℃で、冷蔵庫に入れておくと固まり、室温で液体になります。一方、同じように炭素数が18、二重結合は1つで、トランス体の脂肪酸として、エライジン酸があります。エライジン酸の融点は43℃で、室温で固まっていて体温よりも少し高い温度で溶けます。トランス脂肪酸の食品の性格としての有用性は、この「室温で固まること」です。
トランス体は構造的に安定なので、より高い温度でも液体にならずにいると考えられます。室温で固形であるメリットを得るために、わざとトランス体が多い油脂に加工してきた経緯があるともいえます。それが、最近の健康に関する知見によって、トランス脂肪酸と心血管の病気との因果関係が明らかとなってきて、食品の性質としてのメリットよりも、生活習慣病に与える悪影響が着目されるようになってきたわけです。
科学的な知見に関しては、別途、上記の農林水産省HPに示されたリンク先などを参照されるとよいと思いますが、普段の生活の中で、「理科な目線」で見ても、室温で固まる油というのは、おそらく、血管の中でも体温付近では溶けにくいので、物質として流動性が低いのは容易に想像できますし、生体膜2重構造の主成分としての脂質の流動性においても、どちらかといえば、膜の流動性を下げる方向に働くような気は直感的にします。ですから、トランス脂肪酸は、全体的なイメージとしては、サラサラよりはドロドロ、脂質2重膜の観点から、血管壁が柔らかよりは、血管壁が硬い、の方向に、機能的に働くのではないかなという予測がつきます。もしも、皆さんの血液がドロドロで、かつ、血管壁が硬くなりつつある場合、罹患する可能性が高く最も命に係わる疾病は、(もう、推測できますね)心血管疾患(CVD)、特に冠動脈性心疾患(CHD)です。
食品としての室温で固形の油には、それなりの使い勝手の良さがありますが、例えば、オレイン酸を多く含み液体で存在するオリーブオイルに変えたとしても、家庭で料理する限り、特に不自由さは感じません。
家庭の食事でトランス脂肪酸の摂取量を減らすのは、そんなに難しいことではないです。心血管系の疾患を予防する意味では、室温で液体の脂肪酸を多く含む油、例えばオリーブオイルなどを、固形油を使っていたところの代替として使用すれば良いのでは、と思います。また、そういったコントロールが難しい市販の調理済の食品や外食においては、使っている脂質の表示を情報公開しているところ(トランス脂肪酸の使用量などの表示)を選んで、賢い消費者になるのも、長い目で見ると有効なことかもしれませんね。
家庭の食事でトランス脂肪酸の摂取量を減らすのは、そんなに難しいことではないです。心血管系の疾患を予防する意味では、室温で液体の脂肪酸を多く含む油、例えばオリーブオイルなどを、固形油を使っていたところの代替として使用すれば良いのでは、と思います。また、そういったコントロールが難しい市販の調理済の食品や外食においては、使っている脂質の表示を情報公開しているところ(トランス脂肪酸の使用量などの表示)を選んで、賢い消費者になるのも、長い目で見ると有効なことかもしれませんね。
日本の乳製品製造業では、2018年現在、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸を自主規制で削減する動きがあるようです。その根本には、製造業にとっては、消費者の動向が気になるということがあります。疾病を予防するための知識を正しく得ることは、薬剤師にとっても、一般市民にとっても、自身の健康に限らず、社会に、公衆衛生に関して、健康に良い方向性への影響を与えていくうえで、大事なことです。
ニュース記事|
マーガリンのトランス脂肪酸対策だけが、なぜ目立つ?:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/SDI201803024252.html
マーガリン 低「トランス脂肪酸」強調 相次ぐ新製品:毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20180228/k00/00m/020/136000c
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更新日:2018.05.17
制作:滝沢幸穂(Yukiho.Takizawa)phD ■Facebook プロフィール https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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